秘密を纏ってた頃の左馬刻も綺麗だったけど、俺の前でそれを繙いてなかへと招いてくれる姿はもっと綺麗だと思う。叶うならあんたと一緒に包まって、そのまま融けてひとつになりてぇよ。
上記の俳句は、朝からフェラされたい俺に一句求めた結果左馬刻先生に詠んでいただいた貴重な作品だ。
>それに対し俺先生「もしかして 挟んで食うのか? 食ザーか?どっちにしても 俺歓喜〜」
……。
その後驚くべきことに俺の魂の力作は見事に返品を食らい、更に先生がうるせえ!とおっしゃる形で句会は終了。拒否られたのは不仲とかじゃないんだぜ。うちの左馬刻先生は家から一歩出るとすげえ立派に若頭やってるし、同時に理性の塊と化すから俺の下ネタは結構派手に散らされる。でも正直あの綺麗な顔が嫌悪に歪み、液晶画面上でわなわなと怒りに震える指先を思い浮かべるのが好きだったりするから、懲りずに続けていきてぇ。かわいいスタンプでも探しておくか。凶暴な猫ちゃんみたいになるのでかわいい。
ちなみに自分自慢いいすか。今日は「早寝早起きしないといけないから」「それなのにもう二時」みたいな理由で俺の身体をばりばりと引っ掻いてきて爪の痕だらけなんだよな。ずっとあだだだだだだ!とか言ってたぞ俺。いやもう意味分かんねぇかわいさなんで、一回猫化してもらっていいですか?
TDD時代のあいつはバケモノ級の歩く憧憬って感じだったのに、なんで気付けばょぅι゙ょみたいになってんだよ。普通逆だろ。……でもまあ、昨日もそのょぅι゛ょにすっげえ甘えちまったんだけど。
依頼に行く前に左馬刻の荷物を片すのを手伝ってたらちらっと下着が見えたんで、休憩中の癒しにしようと思ってポケットに突っ込んだら秒でバレて怒られが発生した。二郎に教えてもらった"ぴえん"っつう顔をしてみたら火に油を注いだみたいで、タイトルの言葉を吐かれながら蹴られた。なるほど、ぴえんっつーのは使うタイミングを誤るととんでもねぇことになるんだな。少し前まで左馬刻と肉寿司食いに行きたいなって盛り上がってたっつーのに豹変して蹴っ飛ばしてくるからびっくりしたぜ。マジでぴえんの魔力恐るべし。
帰ったら甘える!!と予告してたらそんな日に限って帰りが遅くなって朝方まで待たせちまったんだよな。それなのに「ねみいけどおかえり」って抱き締めて出迎えてくれてさ。「今日は出迎えて甘やかすって約束したしよ」なんて言いながらすりすり寄ってきて、自分の胸のなかでうとうとしながら「寝ちまったら悪い」なんで言われてみろ……いやもうめちゃくちゃかわいいっす。しあわせの極みだろ。疲れ吹っ飛んだ。なんか一時期流行ったコピペを思い出すな……。
左馬刻が家にいると、ちょっと嫌なことがあっても「まあ家に帰れば左馬刻いるしな」ってなるし出先で違法マイク持ちに会っても「そんな口きいていいのか?俺はあらゆる意味で左馬刻とよろしくやってる身だぞ」ってなれる。戦闘力を求められるH歴において左馬刻と同棲することは有効、っと。いや合いすぎだろ。(某コピペより引用)
#不穏に見せかけて実はまったくそうでもなく、すっかり飼い慣らされた俺が焦らされてひとりで気持ちよくなってるはなし
一緒に過ごす気満々でもぎ取った休日、いちばん濃厚に過ごせるであろう時間帯にまさかのアクシデントで左馬刻を取られてぽつねんと過ごした日。逢えない時間が俺を少しずつオギャらせ、気付けば三時。俺は完全にバブと化していた。
一緒に居る月日が長くなればなるほど好きが募って我慢自体ができなくなってきてるな、と思う。でもこれは俺の理想の恋人としての姿に反してるんだよ。俺はあいつのいちばんの理解者でありたいと思ってて、あいつの行動を誰よりもあたたかく見守りたい。あいつは何処に居ても"俺の恋人"に変わりねぇし、何処行ったって最後には俺の元に帰ってくることが当たり前。あいつから揺るぎなく注がれる愛のおかげで、そう思えるようになったし、あいつのいちばんは俺、ってのを大前提でものを考えられるようになったと思う。なのに我慢できねえってことは、あいつのことを信じてやれないみたいで……なんか嫌なんだよ。理屈ではそう思ってても感情が追いつかねぇ。寂しかった。
帰ってきたあいつに、寝ないように瞼を切ろうと言った。瞼なんて無くても寝れる、とあいつが言ったのを聞いて寂しくもなったし、ずるいなとも思った。俺がどんだけ左馬刻のことが好きかって見破ってるような言い方してさ。そうだよ、そんな風に突き放されたって俺はあんたが変わらず好きだよ。びくともしねーよ。
当然瞼を切ることなんて出来るはずもねぇ俺がなんでそんなことを言ったと思う?俺は、嘘でも寝ないって言ってほしかったと伝えた。本当に寝ないでいてほしかった訳じゃない。寂しかった気持ちを俺なりにぶつけていたから、それを同じ重さで受け止めてほしかっただけだった。それでも自分の気持ちを曲げずに、嘘は苦手だ、と俺に伝えてきた。あいつほどの人間だったら聞こえのいいだけの言葉で俺を宥めるのなんて容易い筈なのに、なんでこう、あんたってやつは素直に不器用なことしてくれんだ。
でも俺は、このひとのこういうとこがすげえ好きなんだよ。なんでもこなすのに、変なところで不器用で、隙があって、俺にかわいいって思わせてくれるとこ。俺がどんだけあいつに惚れてて、どこまでも許せるのを分かってるんだか分かってないんだか、ときどき怯えながら寄り掛かってきてくれるところも。ずるいとこで均衡保ってんな、と思う。結局朝の六時くらいまで俺を構い倒してくれたし、無言実行でしっかり穴埋めしてくれたおかげで、俺の寂しさはすっかりどっかに行った。
この日、飾ることなく馬鹿正直に吐かれた数々の言葉の魔性に首を絞められてすっかりキマってたのはここだけのはなし。
左馬刻がナメクジ苦手ってはなしに萌えた。気持ち悪くて身体がぞわぞわしちまうんだってよ。それを彷彿とさせるもんもダメっぽい。俺は左馬刻のナイトなので、いつもポケットに食卓塩を入れとくことを誓った。
※いれずみのはなし 色々と閲覧注意