俺に勝ち目がないことは痛いほど解ったわけで、だからと言って気持ちがなくなるわけじゃない。
その結果、夢で前の恋人から言われた言葉を思い出す。
本命ってタイプじゃない、都合がいい、何でも許してくれるから……結局、今も都合がいいポジション。
お前らの関係が冷えてるならば、俺はあのままでいられたのに…おはようのキスとか知って、心底自分がバカに思えた。惚気を聞きたがった自分を恨んだ。
お前が真剣に向き合ってくれてるのは解ってる。でもそれは、真実じゃない。
お前の真実の誠意も愛も、あっちにあるんだから。
それでも、どんな関係でもいいから隣にいたいと思うのは俺が愚かなだけなんだろうな。