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┗1396.禎祥と警鐘【保存】(59-63/73)

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63 :灰_谷_蘭(東_京_卍_リ_ベ_ン_ジ_ャ_ー_ズ)
2021/11/19(金) 18:35




オレがまだガキだった頃、後ろからついてくる小さな竜胆が可愛かった。
昔、弟がいる周りの奴らは「弟ってさあ、兄ちゃん兄ちゃんってうるせぇよな」と溜息を吐いていたが、オレはそんなことを一度も感じた記憶がない。こんなことを言うと今の竜胆は「兄貴面すんなよ」と眉を寄せそうだが、とにかく「オレが守らねぇと」と思っていた。だから、成長したオレと竜胆が灰谷兄弟として行動するのは当然のことだった。
確かにオレ達は二人で行動することが多い。ただ、じゃあ一人では何も出来ないのかと言われるとそんなことはない。そんなはずがない。竜胆は確かにオレについてきている頃もあったが、もうすっかり強くなった。守らねぇと、なんて思っていた頃が懐かしいくらいに。そしてオレが信用しているのも、この世でただ一人。そんな竜胆を弟だからといって侮っている奴を見ると、救いようのない馬鹿だと思う。竜胆が弱い訳ねえじゃん。弟は弟でも、オマエが今向かい合ってんのは『灰谷兄弟』の弟、灰谷竜胆だぜ。その頭、ちゃんと中身入ってんの?そんなことも考えられねえ頭ならいらなくね?
弟ならば弱いはずだという馬鹿げた思い込みと、相手が一人なら勝てるだろうという自信過剰な性格。今でこそ少なくなったが、たまにそういう奴を相手にする度に笑いそうになる。コイツは関節決められて何秒後に悲鳴上げんのかな、って。これからも馬鹿な奴らには教えてやれよ、竜胆。いくらおめでたい頭の持ち主でも、あの関節技に耐えられるほど感覚バグった奴はいないと思うぜ。
その竜胆は、オレにだけは相変わらず甘い。オレが何をしても「マジで兄貴さぁ……」と言いつつ怒らない。ゲーム中に背中にもたれても振り払わないし、音楽を聴いている時に「何聴いてんの」と話しかけると「ずっと好きなバンドの新曲。兄貴も聴く?」と聞いてくる。そういうことがある度にオレは「竜胆は可愛いよな」と言い、聞き慣れた竜胆は「また言ってる」と流す。兄弟であり恋人であるオレだけが見られる、竜胆の本当の姿。
――最初に「小さな竜胆が可愛かった」と言ったが、竜胆はずっと、それこそ一生オレの可愛い大事な存在だ。誰よりも何よりも大切で、何があってもオレは竜胆の味方。竜胆、ありふれた言い方しか出来ねえのが焦れったいけどそのことだけは忘れんなよ。たとえ大人になって色々なことが変わったとしても、それだけは変わらねえから。


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62 :灰_谷_蘭(東_京_卍_リ_ベ_ン_ジ_ャ_ー_ズ)
2021/11/10(水) 16:50




今年も湯たんぽになる季節が来た。
オレは指先だけは冷たいけど、体温自体は割と高い方だ。だから冬はいつも竜胆の湯たんぽとして毎晩一緒に眠っている。いや、冬に限らねえし実際は毎日一緒に寝てるけど。何なら真夏でも「別にクーラーつければ良くね?」と言い、竜胆を当たり前のようにベッドに引っ張り込む。だって寝るまでだらだらしながら話すのって面白いじゃん。ベッドに入ってから寝るまでのあの短い時間って、何となく独特の雰囲気があるだろ。そんな中で、今日どんな奴と喧嘩した、とか絡まれたからこんな風に関節技を決めてきた、とかそういえば期間限定のお菓子をコンビニで見つけて買ってきたから冷蔵庫に入れたんだった、とか話すんだよ。ちなみに最後のは昨日の話。それを聞いた瞬間、竜胆が「何だよ、もっと早く思い出してたら食えたのに」とオレの手を触りながら拗ねたようにこぼしたから、「竜胆の顔見たら限定物のことなんか頭から吹っ飛んだんだって」と頭を撫でてあやしていた。そんな緩い会話をする時間が楽しい。でも眠い時はなかなか頭が働かねえから最終的には揃って「眠い」としか言えなくなったり、オレがマジで訳の分かんねえことを口走ったりしちまって竜胆を驚かせたことに謝ったりしながら、気付けば朝。そして基本的に目が覚めるのはオレの方が早いから、竜胆を起こさないように気を付けつつ夜中にずれてしまった布団を肩まで掛け直してもう一度眠る。たまに二度寝どころか三度寝くらいしてる。
まあいつも通りまとまりはねえけど、結局竜胆と過ごす時間が何よりも大切で楽しいってこと。
なあ、竜胆。今日の夜ものんびり話そうぜ。昨日買ってきた例のやつ、竜胆の分ももちろんちゃんと置いてるから。


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61 :灰_谷_蘭(東_京_卍_リ_ベ_ン_ジ_ャ_ー_ズ)
2021/10/13(水) 00:01




当たり前のように、オレの隣には竜胆がいた。それは本当に当然かつ普通のことで、何故ならオレと竜胆は兄弟だ。血の繋がった兄と弟。どこかで飯を食う時も竜胆を誘ったし、喧嘩の時も一緒だった。喧嘩の最中に「竜胆」と、そう呼ぶオレにアイツが「兄貴」という言葉とともに見せる強気な笑み。かと思えば家では「兄ちゃん」と普段よりも少しだけ幼い顔で笑うところ。「兄貴のこういうところが嫌い」と言いながらも、オレと一緒に行動するところ。好きなところはいくつも挙げられる。嫌いなところなんて1つも浮かばなかったし、今も無い。
ある日、オレの帰りが遅くなりそうなことがあった。そう連絡すると竜胆は「じゃあ兄貴の服と一緒に先に寝るから」と揶揄うように返してきた。その瞬間、オレは竜胆のことが好きなんだ、とはっきり自覚したことを覚えている。オレが背中を預けられるのも、何だって叶えたいと思うのもたった1人だけ。可愛い、わがままを言われたいし甘やかしたい、抱き締めて名前を呼びたい。そんな感情はどこかでずっとあって、悪戯を企むようなあの返答で「もし竜胆がオレ以外の奴にこんな言葉を向けていたら」と思うと同時に、自分の中の恋愛感情に気付いた。遅すぎるよなあ、自分でもそう思う。
そこからは色々あった。竜胆とは兄弟だからどんな風に好意を伝えたらいいのかも分からず、思い出しただけで自分の頭を殴って記憶を飛ばしたくなるほど空回りしていた。それはもう、盛大に。竜胆が聞いたら「すぐ格好付けるのに今更恥ずかしいとか思うんだ」って真面目な顔で返してきそうだけど、まあ要は全部手探り状態だった。で、その手探り状態だった頃から3年経った今も竜胆はオレの隣にいる。それが何よりも大切で、オレにとっては幸せな……ガラじゃねえこと言ってる、みたいな顔すんなよ。 覚えてんだろ?オレが「もし同じ気持ちになれなくても、オレと普通の『兄弟』としてこれからも一緒に過ごしてほしい」って言ったこと。……今思えば戸惑わせたんじゃねえかな。普通の兄弟も何も告白してその関係から変わろうとしたのは兄貴の方じゃん、とかそういうこと言われた後に元の関係に戻るのって難しくね、とか。でも、竜胆はオレにまっすぐに向き合ってくれた。すぐに「兄貴だからそういう対象としては見られねえ」って断っても何もおかしくないのに、オレの気持ちを大事にして受け止めてくれた。
その結果が今だ。オレが「竜胆、可愛い。大好きだからな」と伝える度に「また幻覚見てんのかよ」って笑うけど、それが照れ隠しだってことはちゃんと知ってる。
竜胆、3年間オレの一番近くにいてくれてありがとう。オレが幻覚を見てる訳じゃねえって納得するまでずっとそばに……ああ、いや。嘘。たとえ納得したとしても離すつもりなんてないから、とにかくこれからもオレからの「可愛い」と「大好き」を隣で聞き続けてくれ。愛してるぜー。


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60 :灰_谷_蘭(東_京_卍_リ_ベ_ン_ジ_ャ_ー_ズ)
2021/09/26(日) 21:59




竜胆がオレにだけ見せる顔、オレにだけ聞かせる声が好き。たとえば夜寝る前や朝起きた時の眠そうな顔とか、二人だけの時にオレを呼ぶ声。あとはオレが説明端折ってもすぐに分かってくれるところとか、ちょっと調子悪い時にオレの方から何か言う前に気付いてくれるところ、他人には触らせねぇのにオレに触られても大人しい……大人しいっつーか、むしろオレの顔を楽しそうに触るところ。これはもう単純に好きなところの話になってくるけど。
『六本木を仕切る灰谷兄弟』の灰谷竜胆じゃなくて、『オレの弟』の竜胆。外ではオレと一緒に色んな奴をシメてるあの竜胆は、オレにだけはすげえ甘い。熱出したら面倒見てくれるし、床とかソファで寝てたら「またそこで寝てんのかよ」って呆れながら起こしてくれる。だからたとえ他人から「怖い」とか何とか言われようとも、オレの世界でたった一人の可愛い弟。他の奴らの言葉なんてどうでもいいし、大体弱いくせに突っかかってくる方が悪くね?
とにかく今までも、もちろんこれからもずっと竜胆は可愛い弟で、それから大事な恋人。竜胆が隣にいてくれればいいし、それが何よりも大事なことなんだよ。

――

私信ありがとな、すげえ嬉しかった。また後でゆっくり返す。

2021/10/08 10:27
ってことで、心配してくれてありがとな。オレはあれから元気に毎日だらだらしてる。そっちも二人とも元気にしてんの?寒かったり暑かったり季節の変わり目で大変だと思うけど、お互い無事に乗り切ろうぜ。


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59 :七_海_建_人(呪_術_廻_戦)
2021/09/01(水) 16:20




感情が顔に出ないから分かりにくい、一人で過ごしていても平気そう。この類のことは昔から言われ慣れている。五条さんのように目元が隠れていても喜怒哀楽が伝わるほど表情豊かではないためそう見えるのかもしれず、そして確かに私は一人で過ごすことが苦にならない性格だ。酒も読書も、特に誰かの存在を必要とする趣味ではない。
ただ、彼は私と知り合ってほんの二、三ヶ月ほどしか経っていない頃に「意外と人といる時間も嫌いじゃなさそうだよな」と言った。そう、まだ私のことを『七海』ではなく『七三』と呼んでいた、それくらいの頃だ。初めて向けられた言葉に反応が遅れた私に、何をそんなに驚いているんだ、と言いたそうなきょとんとした顔で「だって俺と話してる時楽しそうじゃん」と続けたことは忘れない。あの時、私は確かに動揺した。彼、真人に――本来ならば祓うべき対象である呪霊の彼に興味を抱いていることを、こうも簡単に見抜かれてしまうのかと。
そんな彼と積み重ねる毎日は新鮮で、過ごしてきた日々は本当に大切なものだ。睡眠を取るという人間らしい行為がすっかり習慣になった彼を揺り起こすこと(寝起きが良くすんなり目を覚ますが、その後しばらく眠そうにしているところが子供のようで微笑ましい)、シャワーを浴びたあとに酒を飲みながら最近読んだ本の感想を言い合うこと、陣取りのようになりながらも毎晩揃ってベッドに横になること。今までにこんなにも穏やかな日常は経験してこなかった。呪術師である自分が経験出来るとも思っていなかった。
真人、あなたには本当に感謝しています。私の持つもの全てを差し出してもまだ足りないだろう、そう思うほどあなたとの時間は幸福ですよ。


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