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┗1396.禎祥と警鐘【保存】(54-58/73)

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58 :七_海_建_人(呪_術_廻_戦)
2021/07/16(金) 12:05




暑い季節が来た。歩いているとセミの鳴き声が聞こえ、ふと隣を見るとトンボが飛んでいる。学生だった頃に「トンボはやけに人間の近くを飛ぶ」という話を灰原にしたことがある。彼は「言われてみればそうかも。僕は飛べるんだ、っていうアピールじゃない?」と返してきて、そうだとすると随分微笑ましいものだと思った。
そして昨日、用事を切り上げて帰っていた時のこと。トンボが隣を飛んでいたかと思えば少し先を行き、そしてまた戻ってきた。その姿を目で追った先に建っていたコンビニに寄り、彼への土産を買う。夕方の蒸し暑さに歩く速度も自然と落ちて首を伝う汗を拭う中、悠々と涼し気に飛ぶ姿は確かに「自分は飛べるんだ」というアピールにも見えてくる。羨ましい。私ももし飛べるのならば、こんなにも夏の暑さによる疲労を感じずに済むだろうに。暑さにやられたとしか思えない纏まらない思考を巡らせながら、辿り着いた自宅のドアを開ける。一気にクーラーの冷気に包まれ、覗いた顔と「おかえり、七海」というのんびりとした声。
その顔を見た瞬間にトンボへの八つ当たりとも妬みともつかない感情は綺麗に消え、「はい、戻りましたよ」と返す自分の声に滲んでいたのは疲労ではなく安堵だったのだろう、とすぐに理解した。何故ならこちらに歩いてくる彼の瞳がそれを物語っていたからだ。
提げていた袋の中の、彼が気に入っているカップアイスを見せる。それに目を輝かせる無邪気な顔を見られるのなら暑い夏も悪くない。

―――

2021/07/16 18:25
私信というほどでもありませんが、夏油さんに宛てて少しだけ。気を遣わせてしまうことは本意ではないため返信は気にしないください。
改まって言うのも変ですが、真人がいつもお世話になっています。友人が出来たんだ、と楽しそうに過ごしていますよ。
そして日記を読んでくださっていると聞きました。ありがとうございます、嬉しいです。夏油さんの日記は恋人への思いやりや愛情が溢れていて素敵だな、と思いながら私も毎日読んでいます。
……思いの外長くなってしまいましたね。相手の方と末永く幸せにお過ごしください。


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57 :七_海_建_人(呪_術_廻_戦)
2021/07/03(土) 23:58




いつものように小競り合いの結果収まったベッドの中央で、私の肩を何度も揺する彼の頭をあやすように撫でる。きっと夢を見ているのだろうと思ったのだ。ところが、起きた私に向かって彼がまだ眠そうにしながらも紡いだ言葉の数々は随分と甘かった。寝起きの頭を覚醒させるには充分すぎる、そんな甘さに目を見開く私を見て満足そうな顔をした彼はまた眠りに落ちた。……眠らなくても平気だと言っていたのは誰ですか、どうせ寝たふりでしょう、起きてください。頭の中には言いたいことが次々と浮かんだというのに、実際の私は受け止めたその祝いの言葉を思い出して息を吐き出すだけだった。そうだ、彼はこういう男だ。普段は子供のように無邪気で、しかしいざという時は大人びた顔を見せる。
真人。あなたからのこの贈り物で、この先も生きていけます。呪術師が呪霊を生きる意味や理由にしちゃまずいだろ、という指摘が飛んできそうですね。否定はしませんが、当然やめる気もありません。あなたは私の、誰よりも大切な人ですから。


真人へ宛てる。

遅くなりましたが、あなたからの直接のメッセージはもちろん日記もとても嬉しかったので返事として綴りました。常々言っていますが、あなたが眠そうにしているところはいつも微笑ましい思いで見ています。あの日もそう思いつつあなたを起こす準備をしていたのですが、まさかあんな風に時間に合わせて祝ってくれるとは想像していませんでしたよ。本当にありがとうございました。
愛しています。これからも私の隣にいてください。……ありふれた言葉でしか伝えられないことがもどかしいですね。





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56 :七_海_建_人(呪_術_廻_戦)
2021/06/30(水) 09:30




俺は眠らなくても平気だから、とは彼が以前よく言っていた言葉である。私はといえば、定時に退勤して酒とつまみを用意し、積んでいる小説を毎日少しずつ読み進めていく。そこに彼という存在が入るようになって、そう日が経っていない頃だったはずだ。眠らなくてもいい、と初めて聞いた時は驚いたが考えてみれば当然だ。彼は呪霊なのだから、人間の三大欲求と縁が無い。しかし、私と共に過ごす時間が増えるにつれて随分と変わった。私の食事に興味を示し、夜になると「そろそろ寝る?」と当然のように聞いてくる。眠らなくとも問題の無い彼が、人間である私に睡眠が必要であることを理解して横になって目を閉じる。「人間の真似だよ」、「いちいちこんなことしないと動けなくなるなんて人間は弱いよな」と悪戯を企むかのごとく笑う彼は、本当に子供のようだった。このまま背中をゆっくりと叩くと気持ち良さそうに寝息を立てるのでは、と思うほどに。実際はそんな甘ったるいことにはならず、ベッドの真ん中に大の字で寝転び占領を企てる彼を私が端まで引っ張って移動させる、というシュールな光景となるのだが。
毎晩、ページを捲る音だけが響いている中で「七海」と彼が呼ぶ。顔を上げると、またもや真ん中に寝そべる姿。意地でもそこから動かないという姿勢を決め込む彼と健康的な睡眠時間を確保すべく小説を置いて立ち上がる私との攻防は、一見すると非日常的であるにもかかわらず、すっかり馴染んだ日常となっている。


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55 :七_海_建_人(呪_術_廻_戦)
2021/06/16(水) 13:00




よく質問をしてくる人(彼は呪霊であり人ではないのだが)だと思いました。私がパンを食べていると「いつも似たやつ食ってんじゃん。他は食べないの?」とじっとそのパンを見つめながら問い、本を読んでいる時には「それ何の本?どういう話?」と覗き込んでくる。そんな時の彼にいわゆる呪霊らしさは無く、あるのは無邪気で好奇心旺盛な子供のような雰囲気。何に対しても興味を持つ性格なのだろうと思っていたのですが、決してそうではないことに気付くまでに時間はかかりませんでした。彼が興味を示すのは、私と私に関連することばかり。……そういえば最近では、「老け顔なところも悪くないね。昔はどんな感じだった?やっぱ老けてた?」と私の頬を両手で挟みながら問いかけてきましたね。果たして褒めているのか貶しているのか分かりませんが、その質問に私自身が回答することは非常に難しいため写真を見て判断してください。……別人?人間とは変わるものですよ、真人。失礼なまでに見事な二度見をしないように。
これから先……そうですね、数十年経った際も今と変わらずに無邪気なあなたは、私を見て「老け顔っていうかマジで老けたね」と笑うでしょう。その時は仕返しとしてあなたの頬をつまんで「あなたの趣味が変わっていなければ、老けた私も悪くないはずですが」と笑ってあげますから覚悟しておいてください。ああ、もちろん返事は「はい」しか受け付けませんからそのつもりで。


真人に宛てる(甘ったるい文章です。忠告はしましたよ。)

あなたが私に様々な質問を投げかけてくれることが嬉しいのは当然のことですが、私が質問した時に目を輝かせて答えてくれることもまた嬉しいのです。私の話を覚えてくれていることも、……気付いてしまいましたか?要はあなたといられることやあなたと言葉を交わせることが本当に幸せだということです。ちょっとした質問も名前を呼ばれることも、ごく普通に私の隣に座ってくれることも……他の人から見るとありふれたことかもしれませんが、私にとって全てかけがえのないものですから。だからこの先もずっとそばにいてください。





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54 :七_海_建_人(呪_術_廻_戦)
2021/05/27(木) 21:55




饒舌で好奇心旺盛な子供のようだ、というのが第一印象でした。呪術師である私に対しての憎悪を抱いているだろうに、同時にどこか純粋な興味を向けられているようにも感じたのです。まあそんなことを口にすれば自意識過剰だと眉を寄せられてしまうかもしれず、あるいは笑い飛ばされるのかもしれませんね。そして彼はとにかくよく舌が回る。私が答えを返す度に更に重ねられる質問の数々は、恐らく「とりあえず『人間』が考えていることを聞いてみよう」という軽い気持ちからのものだったのでしょう。そのやり取りを繰り返す内に、非常に豊かな知性の持ち主であることが分かりました。私の返事に対して短い言葉で的確に返してくる彼との会話は、テンポが良く心地良い。だが、我々は呪術師と呪霊。この感情は打ち明けてはならないものだと分かっていました。今もそれは変わりません。しかし私は――言わなくとも分かっているでしょう、真人。あなたは恐ろしいほどに頭の良い男ですから。……これを読んだあなたから最後まで言わなかったことへの不満を向けられることは容易に想像出来ますが、その抗議は受け付けませんので悪しからず。

──

2021.05.30 22:01
追記(私信/書き手はイデア・シュラウド)

Pearl sapphireのエース氏へ


本棚に入れてくれたことも私信も嬉しかったんだけど、コミュ障ゆえの「失礼にならない返信を……っていうか拙者の文章は長すぎるんだが……」と何度も書き直していた結果この返信の遅さ。恥ずかしい限り……コミュ力はどこで身につけるのか教えてほしいですな。
あと拙者はエース氏達の雰囲気も良いなと思いながら読んでいますぞ。話し合おうとする誠実さって大事だし、そうやって毎日更に信頼や愛情を積み重ねてるんだろうなと……いや、こんな陰キャオタクが語るのは図々しいですわ……と、とにかくこれからも楽しみにしてるから末永くリア充でいてくだされ。





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