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┗2125.Only the sigh disappears into the jet black.(7-11/20)
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11 :
GIN
2022/08/23(火) 03:10
俺は何としてでも例の薬をアイツに完成させて貰わねぇとならねぇ。だが、ロミオトラップで近付いたつもりはねぇし、むしろアイツが俺を利用するためにハニートラップを仕掛けてきたんじゃねぇかと邪推する程には惚れちまっている。あの方とアイツを天秤に掛けるなんざ野暮だが、あの方の喜びこそが俺の喜びだ。アイツも必ずや組織が成そうとしていることを心から理解しあの方への忠誠を深める日が来るだろう。
アイツが十九・ハタチを迎えるそう遠くねぇ４・５年先の未来で手招きする俺たちのガキの話をしてみたが、アイツは俺との未来を描くことを幸せだと言いやがった。漆黒の闇の中に生きていてもアイツが傍に居るだけで周囲が仄かに明るく温かくなるのが不思議でたまらねぇ。薬を完成させればアイツは必ずや幹部に昇進する。今は姉貴とは監視下でしか会えねぇだろうが、監視を外すこともやぶさかではねぇはずだ。俺のツラによく似たガキを聖母のように微笑み抱えるアイツの隣で、弾力ある柔らかなガキの頬を姉貴が指先で押しては返す姿なんてのを煙草を飲みながら眺めるのも悪くねぇ。ガキみてぇなツラをしやがるバーボンとスコッチあたりは子守も得意そうだからいい遊び相手になるんじゃねぇかとか、俺とウォッカは近付くだけで泣かれちまいそうだから今のうちに笑顔の練習をウォッカにさせておくかとか、くだらねぇことを考えるのも楽しく、未来を描くことが幸せだと言ったアイツと今は同じ気持ちを味わっているぜ。
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10 :
GIN
2022/08/21(日) 19:31
俺は家族の記憶なんざ疾うの昔に忘れたが、家族を大切に思うアイツを見ていると家族ってのも悪くねぇものだと心が揺り動かされそうになっちまう。引き継がれたDNAから生み出される例のブツはアイツの一家が誇る愛の結晶だと言っても過言ではねぇだろう。そんな偉業を成し遂げようとするアイツの傍に居られることは俺にとって大変名誉なことだ。第4ラボで研究に勤しむ姿を見つめていたいものだが今は大事な時だ。帰りを両手を広げて待つことにするぜ。その代わりと言ってはなんだが、試作品ができた暁には俺をラボへ招いて貰うからな。
アイツは両親の意思を引き継ぎ開発を進めているが、試作品が完成しマウスで実験するまでは毒薬を作らされていたとは気付くはずも無ぇだろう。アイツが気付き謀反を起こす前に試作品をちょろまかし急場を凌げばいい。それにしてもガキの頃から組織の監視下で育ったアイツも姉貴も黒に染まらねぇ。強い信念がそうさせているんだろうが、近い未来、テメェの開発した毒薬で各国の要人共が暗殺されたと知れば黒に染まるしか残された道は無ぇだろう。
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9 :
GIN
2022/08/20(土) 23:00
アイツは俺に勝利をもたらす幸運の女神だが、俺の足枷になる時はバラされても構わねぇとほざきやがる。俺の足枷に成り下がるような安い女じゃねぇことは百も承知だが、テメェの命を俺の為に犠牲にするのは母親の精神が娘にも引き継がれているという証拠かもしれねぇな。アイツの両親の話はピスコから詳しく聞かせてもらったが、志半ばでこの世を去っちまった両親の意思を引き継ぎアイツがラボへ身を置いたことをあの方も大変お喜びになっているぜ。そんな組織の宝であるアイツに怪我一つ負わせるつもりなんざねぇよ。俺に反旗を翻す舐めた真似をしやがる野郎が居れば、火の無ぇ所に煙を立て始末するまでだぜ。
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8 :
GIN
2022/08/18(木) 21:05
その世界では右に出る奴は居ねぇと称される野郎に俺とアイツの首輪を依頼した。石の現物を確認したが雨ガエルに似たマットブラックのチタンは俺の手によく馴染み、ブルートパーズとエメラルドも他に類を見ねぇ最上級品だった。手を抜くようなふざけた真似をしやがったら鉛玉を食わせてやると忠告したが、俺を唸らせる黒い蛇の息遣いがもう既に聞こえてくるようだぜ。詮索無用と奴にアイツの話は避けたが盗聴器や発信器の類いとコード入力エラー時の爆破機能は不要とだけ伝えておいた。アイツを365日監視してぇが諸刃の剣だということを忘れちゃならねぇからな。周波数が合えばハエ共が羽音を立て俺たちの頭上を飛び回るはずだ。ツインレイの俺たちの魂を繋ぐ首元へ静かに巻き付く黒い蛇は近付く者へ牙を剥くだけで構わねぇ。数学者が天高く数式を並べても永遠に解けねぇパスコードこそQ.E.D.…愛の証明になるってのも皮肉だが美しい。戸籍なんざどこに行ったかもわからねぇ俺は結婚てのには全く興味は無ぇが、無能な神に永遠の愛を誓い合うよりも互いの掌中から逃れることができねぇ２人は結婚以上に繋がりが深いだろう。証明開始にはproofと囁くよりも蕩けるような口付けを交わそうぜ。
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7 :
GIN
2022/08/14(日) 20:31
俺の提案にアイツは、チョーカーへ相手にしか外せねぇ細工をするのはどうかと言いやがった。あの方と共に世界を掌握し頂点へ君臨するに相応しいこの俺でもアイツの砂糖菓子みてぇな甘えにはどうにも太刀打ちできねぇ。外せねぇ細工をするならパスコードと静脈認証付きのブラックチタンの首輪がいいだろう。愛する女に忠誠を誓い首輪をつける俺の姿を揶揄うヤツは唯一ベルモットくらいだろうが、任務遂行に米国へ俺が行くよりもバーボンと組ませたらいいんじゃねぇかとあの方に数日前偶然進言したところだ。俺があの女に直接会うことは来日でもしねぇ限り当分無ぇはずだ。雪のように白いアイツの細い首に漆黒の首輪はよく映えるだろう。
ブルートパーズとエメラルドが煌めくシルバーリングが俺の腰の動きと共にアイツの汗ばむ白い肌の上で揺れる姿を早くこの目で見たいぜ。
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