出会った頃、半年後の俺たちのこと、おまえは考えていたか? 半年後、一周年記念…なんて日、来ると思っていたか? 一周年記念日、来年も一緒にいられたら良いなって なぁ一二三 俺はこの二年でどこか変わったか? 一二三は…そうだな 俺に気を許して、俺を抱きしめる腕に愛情がこもって 俺を見つめる目に心からの優しさを感じて 俺に触れる手のぬくもりに、心のぬくもりをも感じるようになって そして、とても穏やかで、強くなった その頃に うん、そのタイミングで変わったなと思えたけど、それからはずっと ずっといつも変わらない愛情を注いでくれているな そんな一二三に、俺は日々支えられているんだな、と一二三が一緒にいない時間にこそ感じるんだ 2年ありがとう 3年め、よろしく |
ホストクラブから自宅マンションまでの家路の途中、見知らぬサラリーマンを拾った。草臥れているだけではなく、衰弱しているようにも見えて放っておけなかった。あまり披露する機会は無いが、料理は得意な方だ。温かい和食を振る舞い、元気になって帰ってくれると思いきや。
淫魔商事個人第一市場第一営業部
観音坂 独歩
聞いた事も無い会社の名刺を差し出され、途端にソファに押し倒された。見下ろすサラリーマンの背には小さな黒い羽と、活きの良い尻尾が付いていた。
ホスト×インキュバス
郊外にある教会だというのに、女性たちの来訪が絶えないのは、日本人離れした神父の外見のせいもあるのだろう。金色の髪に、甘いハチミツ色の瞳。その上親身になって話を聞いてくれるとなれば。だが神父はどれだけ言い寄られても男女付き合いはしないのだと言う。信心深いのか、それとも。黒いヴェールをかけるように夜の帳が下りる頃、どこからともなくふらりと教会に現れる、顔色の悪い赤毛の青年の事を知る者はいない。その青年を出迎える神父の笑みが、殊更に深く、歪んでいる事も。
神父×吸血鬼
事の始まりはそう… 俺の社畜極まる日々からのストレス それを性欲で発散させる、しかも頭隠して尻(股間)隠さずの方法で、こそこそと 一二三が仕事に行ったのを確認してから、俺は少し前に作った裏垢で、今夜も…所謂「配信」を始めた 今日は気になっていたT/E/N/G/Aの新商品を使っての…裏配信 R18なんて生温いものじゃない、マジでR29 俺の顔は見せない だけど見られている そのなんとも言えない露出感が、ぞくぞくして堪らない のに 仕事に出掛けたと思っていた一二三が…ひふみが… 突然、配信中の俺の部屋に入ってきた あぁぁ…もう目の前が真っ暗だ 物理的にも、目隠し状態で真っ暗 お仕置きどころじゃなくて、おくすり…枷…監禁…と ひふみのとある部分を突いてしまった、その結果がこうだ でも良い どうせ俺は、結局オマエしか要らないんだ 残業が嫌 働きたくない 眠れない 欲しいものは? オマエしか浮かばん 時間なんてものに縛られずに、ずっとこのベッドで眠ろうか |
>「しよっか」 脳天から心臓へと稲妻が落ちた いつだっけか いや、つい最近、先日のことだな 真昼間、しかも会社にいるときだ 無性に、一二三とちゅー……キスがしたくて堪らなくなって 欲望のままに、凄い濃厚なちゅーしたい…だなんて、出勤前のアイツにLINEしてしまったんだ …送ってから、なんてことを俺はって、毎度のことながら後悔するわけだが いつもなら、どっぽちんっ!?(ぴゃっ)ってなるし、今回も俺のことを「お色気担当」だなんだと言って、茶化しでもするもんだと思っていた なのに… 次に端末を開いて見たとき、俺は思わず…マジでその場に立ち竦んでしまった ――え? って いや…そんな反応、初めてじゃないか…? 自分の心臓の音が、会社の廊下に響き渡るんじゃないかと思った さて どうしたものか 書類整理やら、新商品勉強会やら、ハゲ課長にどやされたりやら…そうこうしている内に、帰宅時間はやってきた うろうろうろうろ 恥ずかしくって、真っすぐ家へ帰れん!! ってことで、公園で小一時間 こんなことをしていても、いずれは帰らにゃならん てか考えすぎじゃないのか、俺は 一二三はなんとも気にしていないかもしれない よし、帰ろう 小声で玄関で「ただいま」と告げて、アイツに聞こえても聞こえなくても自室へ直行しようと考えていた ……が、甘かった なななななんか凄い威圧感というか、攻め攻めオーラ背負った一二三が「おかえり」の言葉もなく………(暗転) ま、まぁ…アレだな ごちそうさま……え? PS.動悸が酷かった、です、はい、まる |