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┗45.消えゆく夢を恐れた貴方へ【保存】(13-17/26)

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17 :碧/棺/左/馬/刻
2019/01/14(月) 02:00

2019/01/13
確保し忘れたまま寝落ちてて諦めた。時は戻らねえ。

朝イチ、早口でまくしたてられた内容から察するに、彼奴の今日は忙しい。俺様は学生時代のダチに連れられて、猫カフェなんつ〜場所に行くことに…おいこらテメェら酒飲むんじゃなかったのかよ。ニヤけたツラしてンのから察するに謀りやがったな…猫はクソ生意気で嫌いなンだッつってんだろ。餌手から食べてく時なんか赤い舌チロチロしててクソ可愛いし、気ままに伸びてる肉球とか触り心地最高だけどよ(猫好き)

⊿ 小官にも構ってほしい、会いたい。
⊿ もう、すっかり日常の一部に入り込んでいるから、…居なくなられると困る。
⊿ 全部貰う、将来も、…全部、そのつもりなら、貰わないと左馬刻も困るだろう。…小官の未来も全部、…何て、要らないなら、構わないが、


帰ってきたあいつに、駄々を捏ねた。思い描くつもりもなかった未来を望んでる、って。繕いきれねえまま自信なさげに委ねてくるもんだから、獣みてえな彼奴とそれが、対照的で。いつも思うんだが、本当に理鶯は自信がない。どこに落としてきたんだろうなってくらい、未来に臆病者で、まあそれは俺と同じか。将来的に全部捧げてもいい、って思ってくれてるらしいことに、すげえ安心した。好きなところを聞いて、答えをもらって、そしたら寝落ちてたから、幸福は微睡みを誘うらしい。

2019/01/14

白い海を眺めて、それから赤い空を指差した。
「どうして色んな色があるの?」
無色透明だった頃の夢。繋いだ手は暖かくて、夜の蔭差す浜辺は冷たくて。切り離された空間は、心地がいい。女は優しく、笑って言った。
「星月の輝きが世界に白を、おひさまの温もりが世界に赤を」
胸に秘めたお伽噺は、寝ても醒めても俺の全て。

#日記
肺が痛むほどの透き通った空気に、師が走り抜けてから半月経ったことを実感する。サイドミラーに映った空は、夜の蔭を振り払って段々明度を増していった。ようよう白くなりゆく山際、なンて唄った昔昔の天才様へ。冬の早朝も、案外見物だぜ。吐いた呼気が星月色に染まって、解けてゆくさまなんて、殊更良い。

おひさまがてっぺんに登りきった頃、黒い蝶の振袖姿で騒ぐ娘は誇らしげ。大人としての門出は、そんなにも素晴らしいものだっただろうか。自問。つい最近のようで遠い記憶は、すっかり錆びついて、結局答えは得られない。若い奴は物思いに耽ることすら許してくんねェって相場は決まっているらしい。道行く老婆にかけられた“ おめでとう ”の一言に、晴れやかな笑顔を浮かべた娘は、足取り軽く駆けていく。どこへ向かったのか皆目見当つかねえわ。お手上げお手上げ、どうか幸せな人生を。俺みたいな奴と混じらわねえよう、精々気を付けな。


理鶯の瞳は深い青。海を凝縮したような、空が丸ごと映り込んでしまったような。白が星月、赤がおひさま、それならばこの青は、蒼は。見詰めど見詰めど、分からない。彼の人の表現を、どこか恋しく思っているのかもしれない。チカチカ揺れる蛍光灯にさえ移ろうそれに、名の付けようなんてあるはずもなく。このままでも、それはそれで。

落ちた夢の中は夜の色

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16 :碧/棺/左/馬/刻
2019/01/12(土) 23:30

理鶯を寂しがらせた日。

都内某所。起きて身支度整えて、呼び出された先は妹気に入りの作家の展示会。そこそこに出来のいい展示品を一通り眺めて、興奮した様子の彼奴がもう一周巡るのを尻目に、展示品が収録されてるッつ〜冊子をパラパラ捲る。理鶯の写真集作った方が、余程売れるンじゃね?って、流石に盲目過ぎンのかもしんねえけど、珍しく理鶯が一日山から降りてきてたモンだからそっちに意識が向くのもしょうがねえ。

次の行き先は、なんて声を弾ませた妹の声は大して聞いちゃいなかった。俺とは対照的に切りそろえられた白銀が目の前を歩く度、揺れる。それを辿っときゃ問題ない。いつも通りの道標は、ごちゃついた小道の中でヘンゼルとグレーテルの残した小石の印みたいに輝いてみえた。その道を抜けて、一気に開けた視界にはデケェ鳥居と参拝客の列が広がる。促されるまま手を清めて、手を合わせて、信じてもいない神とやらに今まで通りの願いと、それから一つだけ、最近増えたそれを一応頼んでおく。頼むッつ〜よか、自分の内への宣言か。賽銭箱の上に供えられた安いパック酒見て笑ったら、罰当たりだって頬を膨らます妹が、今年も健やかでありますように、ッてのが今まで通りの願い。増えた願いは、理鶯がめいっぱい幸福なまま、俺の隣にいますように。つ〜か年始の願いと全く同じじゃねえか。たった十日と少しで変わるわけもないのに、なんで二回も神社に行ってんだ、俺。自問自答しつつ人の波に流されて辿り着いた境内の中は、広いだけあって、賑わいに反し動きやすい。他人様の願いが所狭しと並ぶ絵馬所に珍妙な顔の猪模様が密集してて、その下には縁結いの祈りの札がこれまたびっしり。案外皆、出会いとやらに飢えてんだな。確かに寒い時期は人肌恋しさも募るモンだが。知らない間に離れてた妹の元まで砂利を踏みしめてくと、要らねえッてのに押し付けられた瑪瑙石のストラップが俺の携帯を賑やかした。赤が瞳の色に似ているから、って笑う顔に少しだけ心配の色を感じ取ったら、断るもんも断りきれない。代わりに花柄の鈴が、妹の財布に今日から増えた。

午後三時を少し回った、所謂おやつの時間。昼飯は女が好きそうな、所謂カフェで。頼んだ冷しゃぶサラダ定食が、女の中でもとりわけ意識高い部類に好まれそうな彩りと分量で提供される。ご飯と味噌汁はおかわり自由ですッてから、腹が膨れあがるまで食っといた。因みにクソ健康に良さそうな品物選んだ理由は、理鶯からの野菜を食えって一言な。言われてなかったら焼豚丼一択だわ、当然だろ。そのまま妹の服探しの旅に出た俺達はここで迷宮入りする羽目になる。妹が探し求めてるような服が、どうにも見付からねえ。そもそも今思うとフォーマルな服探してンのに店の並びがカジュアルすぎたンだよな。目に痛いほど派手な色の並びとやたら露出したマネキンはどう考えても妹好みじゃねえし。ぐるぐる同じようなところ徘徊して、ああでもないこうでもないって見比べて、モール移動したらようやっとそれらしい店に出会えたが、俺は気が付いた。服は通販に限る。


⊿ それなら、1日がかりか。…帰ってきたら、で、構わないから、…沢山、…か、まって、ほしい
⊿ …小官のせいで困ってしまうなんて、少し良いなと思って、


今日も今日とて甘えん坊な理鶯に、なかなか構ってやれなかったのが心残りッつ〜かなんつ〜か。朝から寝落ちを悔いて落ち込む理鶯と、ずっと布団でだらついてたかったてのがホントのところ。妹と過ごせんのは貴重だから、そっち優先したけどな。彼奴と別れて、理鶯ンとこ戻ったときにされたいい子アピールとやらが死ぬほど可愛くて、今日道ですれ違ったどんなやつも、此奴にだけは敵わねえなッて、思う。今日序でに新調した服でデートに行く約束は、冬中に叶えたい所存。アイスも食おうな。

追伸。お前がわがままッつってるもんは全くわがままに入らねえからちゃんとわがままを言え。わがままを。

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15 :碧/棺/左/馬/刻
2019/01/11(金) 01:00

毎朝声掛けてから抜け出してく彼奴が、置き手紙もなく居なくなっていて。冷えた布団で目が覚めた。慌ててたンだろうなァ、温もりに触れないまま、日は落ちて、空気が肌を冷やしていく。呼ぶほどのことじゃねえし、どうせまた想定以上の獲物に出くわしただけなンだろうけど、少し、ほんの少しだけ落ち着かねえ一日。

そんな時に限って何の気なしに開いた端末には関係ねえ連絡が届いてて。先方のインフルエンザにより日時変更、って体調管理も出来ねぇのかよあのハゲ豚爺。ちょっとした会合だから、そう問題もないのは分かりつつ、調整の面倒さに悪態が漏れるのも仕方ないこと。それに、予定がない時の一人は、どうにも得意じゃない。勿論、他に過ごす宛もないから、大人しく家に帰って、丸くなって不貞寝かましたのが夕方五時。

19:40
⊿ すまない、遅くなった。ただいま、左馬刻、
⊿ ん、ん……、(もだ、)…食べてしまいたくなるくらい可愛い、


片足夢に突っ込んだまま見付けた理鶯の姿がとびきり愛しく思えて、何やら色々口走った気ィする。俺は、何も、言ってない、覚えてない。ただ理鶯が悶えてンのは、純粋に可愛かった。

悶えたまでは可愛かったんだが、所詮俺は彼奴の飼い猫なわけで。久しぶりに性的対象として見られてるッつ〜こと実感させられた。さっさとその歯で食い殺してくれりゃいいのになァ、って心底あほみてえなことを考える。毎度毎度、永遠だとかなんだとか、叶えようのないことにしがみついて、解法を探ってる俺のことを、案外ロマンチストだよねって妹は笑ったが。諦めの上に成り立つこれは果たしてロマンなのか、否か。とりあえず野菜を摂れなんて説教は、俺様と添い遂げる覚悟決めてからしやがれ、バァカ。

並べられた宣言ふたつ。暫くは起きているつもり、で、限界まで付き合う。直後に限界迎えてベッドとランデブーしてるのマジでネタだろ。笑うわ。眠気に従順、夢に住むお前の方が、なかなか帰ってこねえお前よりよっぽど安心する。俺の顔みて気緩んでるって、自惚れてっから。…まあでも、俺を放って健やかな寝息たててる恋人の、鼻摘むくらいは許されるよな。

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14 :碧/棺/左/馬/刻
2019/01/10(木) 23:55

#メモ
玉葱と茄子とでけえじゃがいも入りのチキンカレー、茹で卵と温泉卵両載せ
冷房ガンガンかけたなかでバケツダッツ
理鶯の腕腹巻き
バニラアイスと発泡酒と誕生日


⊿ お腹を冷やさないように、1日2個までだぞ。
⊿ …さて、良い子で待っていられただろうか、


与えられる幸福を当たり前のように享受して、腕いっぱいに抱えながら慣れねえって文句を言う日々。慣れちゃいけねえって思ってるだけで、正直、蜂蜜色に輝く理鶯の愛情がなけりゃくたばっちまいそうだ。帰る家に明かりがともっていて、言葉を掛ければ甘ったるく返事が響いて、寒いときには抱き締められて、気分が落ちたら甘やかされて。彼奴ははっきりものを言う反面、俺様は何も言えねえんだけどな。この関係に甘え続けて微睡んだまま、ゆっくり時間を重ねられりゃいいんだが。

幸せのキャパシティとやらは拡大工事不可のようで

最近、向けた好奇心に同じ質量が返ってくる。踏み込めば踏み込むほど、いつか訪れるであろう幻滅に怯えてる。まあ、幻滅されるならその程度だったと思えるように諸々諦めてはいる。つもり。彼奴が望むまま、俺様が望むまま、荒らさないように静かに静かに、扉を開いて覗いたら、案外すんなりうまくいかねえかな。そんなことを考えながら。ソファなんつ〜寒い場所で微睡みだした彼奴の頭を撫でてみた。

深夜に起きた彼奴はひとしきり俺を甘やかして、心に落ちた影を拭い去っていく。ズリぃなァ…マジ。これ以上、離れられなくすンじゃねえよ、動けねえから。甲斐甲斐しくソファからベッドに運ばれて、また抱き締められて、そのまま二人で仲良く夢の中なんて…らしくねえ、けど、やっぱり悪くねえって思ってる。

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13 :碧/棺/左/馬/刻
2019/01/09(水) 22:22

#おはようではじまる一日

おはようだとかおやすみだとか、いってらっしゃいにただいまも。お前と交わし合うようになるなんて、これっぽっちも思ってなかった。いや、マジで。ここ最近、当たり前って顔をして予定確認出来るようになったのも、地味に大きい進歩だよなァ…理鶯もたぶん、そんなこと考えてんじゃねえの。言葉選びとか、見る感じ。柄にもねえ幸せだが、困ったことに、もう手放してやれない気しかしねえ。

⊿ 、甘いもの、食べに行けたら良いな。好きな人と、好きなものを一緒に食べられるなんて、想像するだけで幸せだ。


#アラームかけてそわそわ帰宅待機してる恋人(28歳元軍人) #可愛い

眠気が増えるにつれ段々ひらがな表記になってくのって人類共通で、変換ボタン押せなくなる謎。押せねえのか、意図的に押せなくなってんのかは人によりけり。理鶯は顔が幼いせいで、幼児退行してッてるように見えンだよなァ…いや、5分おきに目覚ましかけたから待ってられるって得意げな顔してきやがったから、もはやただの幼児か。ハグはもっと、で、キスは唇に。ただただ甘えて眠気に溶けて、甘やかされてさらに溶けて、全身で好意を訴えてくる彼奴に、目一杯返してやれてンのか、わかんねえけど。溶けるくらいにゃ、ちゃんと伝えられてるらしい。自分から、ふにゃふにゃ、って言ってきたのは正直股間にキた。

⚠理鶯幼児ver.
⊿ う、ん、…もう、ねむくて、ふにゃふにゃ、で、もえ、もたない。
⊿ ……、いっしょ?ずっと、さまときと、一緒にいたい、
⊿ うん、…うん、ねよう、…ぎゅう、したまま、、前からのほうが、さまときは好き、なんだったか。
⊿ しょうかんは、左馬刻がいい、


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