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Precious article.
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219 :
跡部景吾(蜘蛛)
2010/02/25 10:38
千石が外側からノックする、俺が扉を開く。
俺が扉を閉じようとする、千石がまたノックする。
千石が俺の手を握る、俺も握り返す。
俺が千石の手を振り払おうとする、千石は俺を捕まえてまた手を握る。
千石が俺を見詰める、俺も其れを捕らえる。
俺が視線を逸らす、千石が俺を抱き締めて覗き込む。
「大丈夫」と俺に告げる。
毎日の遣り取りの中で、何度となく俺が『向き合う』事から逃げ出そうとしても、
千石は其れを許さない。
俺を逃がさねェし、視線を逸らさない。
信じる事を拒んでも、
千石は信じる事を信じて貰う事を諦めない。
其の姿勢に俺は羨んで尊んで、安堵する。
惹かれれば惹かれる程、時々怖くなる。
そんな俺の手を取り、引き寄せて、抱き締める。
信頼や絆から逃げようとする度に温度で俺を包み唇が触れる。
御前が俺に与え来るのは、安堵と愛情。
御前で良かった。
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