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双宿双飛
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209 :
仁王雅治
2009/06/20 04:40
目が覚めた。
だから今日は以前言ってた後悔の話をしようと思う。赤也は聞いた。
>『後悔はしていますか？』
と。
…勿論、後悔なんざしとらんしお前の事で後悔なんかするもんか、と本気で思った。
本気で思ったんじゃが…ふと今気付いちまった。後悔しとることに。多分寝起きだからだと思う。頭は回っとらんし普段みてえに格好良くしようなんざ頭にない現在(いま)だからこその後悔の念。
先ず一つ、俺の寝落ち癖。
俺は寝落ちが本当に酷くて、赤也と付き合う前からあいつには寂しい想いをさせてたんじゃねえかと思う訳だ。今日だって赤也との会話中に寝ちまって、ろくに赤也と話せとらん。どの集会に行ったとか、誰に会っただとか、恋愛について語ってきただとか本当は色々伝えて笑い話にする筈だったのに、ホレ今まさに後悔しちょる。
その二、距離を、置いた事。
…此は俺の環境の変化によるもので仕方なかった事だが、それでもあいつを泣かせたことには違いない訳で、今となっては後悔しとるかもしれん。まァほんの少しだけ、な。
その三、やっぱり多分コレ。
>赤也と俺が、出逢っちまったこと。
出逢わなきゃ良かったなんて世間には有り触れた言葉で、こんなことを言ったら赤也はまた泣くかもしれんがコレも後悔の一つに入るんじゃねえかと思う。
だって出逢わなきゃ今の俺は多分存在しちょらんだろうし、恋人は居たが恐らく俺と謂う要素を構成するモンとはきっと全くの別物で、こんな心底赤也に惚れ込んどったりはしとらんと思うからだ。
そう。赤也が俺に出逢わなきゃ今も何処かで楽しくダチや、別の誰かと笑い合っとったり出来たかもしれんのに。…とか、あいつの環境を取り上げちまったことが俺と赤也が出逢ってのずーっと引っ掛かっとった最大の後悔。コレは謝って許されるモンじゃねえし、我ながら何故其処迄お前サンを縛らなきゃなんなかったのかとも思う。
……多分俺は、優先順位が高くなきゃ嫌なタイプなんじゃねえかと最近気ィ付いたワケよ。だから、あの時もその時もどの時も制限したり無理言っちまったり、ガキみてえなことを言っちまったりしたんじゃねえかと。本当に、スマン。
…後悔なんて、尽きねえモンなのかもしれんの。こうして話ちょる今もちーと後悔。ナンテ、後ろ振り返らず歩んでみてもふと足を止めりゃ後悔だってするし溜息もでる。
それでも、俺は赤也に出逢って良かったと思っとるぜ。
だって俺は、お前サンを心底愛しとるから。
ゴメンな。
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