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日々是
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16 :
乾貞治
2006/12/02 11:07
恋人が時間を作ってくれた。
本来会えない筈だった、今夜。
少しでも多くお前と居たいのだと、言ってくれた。
嬉しかった
けれど同時に何故だか酷く尻込みする自分も居て。
距離を置きたいと言われたのは、彼が生活の殆どの時間の思考を俺に支配されるのが辛かったからだと、わかっているのに。
再びの逢瀬で、もし同じ言葉が彼の唇から無情にも零れたら…
そう考えてしまうと、いても立っても居られないんだ。
臆病なのは出会った当初から。
そのせいで彼にしなくても良い苦労を掛けて、言葉の端々にまで心を砕かせて。
そうやって必死になってくれる姿に、愛されていると実感したりする、最低な俺。
手に入れた実感はあっても
消えない不安。
彼の秘密をまだ聞けずに。
彼も俺に打ち明けられずに。
でもこうなってみて、一つ学んだ事がある
きっと彼もこんな気持ちだったのだ
先が読めない不安を、彼の事だから限界まで溜め込んで
鈍い俺はそんな事にすら今まで気付いてあげられなかった。
今なら分かるよ。
今までの分取り返してお釣りが来る程、安心を君に。
君が腕の中で安心していてくれるのが
きっと俺を安心させてくれるから
トラウマになりそうな彼の言葉の原因が自らにあるのならば、それを乗り越える要因もまた、自らの内にあるのだと
そう、思っている。
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