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日々是
┗312
312 :
乾貞治
2010/10/15 20:45
帰宅途中の電車内。
降った雨で蒸し暑かったけれど程良く空いていて、静かな車内には色々な人が居た。
買い物帰りと思しき老夫婦、営業まわり途中のサラリーマン、忙しく携帯を弄るOLさん、ヘッドフォンから音漏れしまくる若いお兄さん…………その中に、明らかに異彩を放つ人物が。
小学校２年生か、もしくは３年生。スタンダードな黒と赤のランドセルをそれぞれ背負った、男女。
その歳でそんな深刻な顔が出来るのかとちょっと吃驚したくらい重苦しい雰囲気の男子と、決意を秘めた瞳でピンクの傘を握り締める女子。
俺は電車内で座るとどうしても足が邪魔になってしまうから、基本座る事が無いのが幸いして、近くの座席に座る二人の話を聞くともなしに聞いていた。
男子：リナちゃん、俺もう決めた
> 女子：うん、私も決めた！
男子：将来二人で…
ここで大抵の大人は「一緒に住もうね」とか「結婚しようね」とかいう甘酸っぱい言葉を予想し期待したと思う。
しかし見つめ合った二人が導き出した結論は予想を超えていた。
>ヤンキーになろうね！
えええぇえええ…亜久津…？
静まり返った電車内、聞こえるのは良く通る子供二人の声とヘッドフォンの音漏れ。
> 女子：私ヤンキーになるから、今日から傘ささない！
男子：え、風邪ひいちゃうよリナちゃん
(…俺はどこから突っ込めばいいんだ…！)
> 女子：マサヤくんはヤンキーになる為に気を付ける事なんだと思う？
男子：そうだな、…………俺はまず、ちかくかびんを治したいって思ってる！
> 女子：ああわかる！そうだよね！ちかくかびんだとアイスかじれないしね！
(…わかっちゃった。)
> 女子：二人でヤンキーになったらきっと強くなれるよ！ケンカもいっぱいしないとね！
男子：ん！そしたらお小遣いたくさん貰おうね！…でもケンカって痛いから駄目だよリナちゃん
> まさや は やんきー に てんしょく した ！
> つよさ が ２ あがった ！
みたいなアレか。
ゲーム脳もここに極まれり。
日本の将来が少しだけ不安になった、先月の話。
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