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日々是
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321 :
乾貞治
2010/11/01 19:03
きっかけは何だったか。
忍足に教えてもらった恋愛映画の原作…勿論日本語訳のものを読んだのが、始まりだったような気がする。
はつこい、を、覚えているか。
「好き」という感情だけでは足りなくなって、浅ましく欲の出た日の事を。
そんな書き出しだった。
俺は物語を読んで共感したり出来ない質なんだが、書き出しの問い掛けに自分の過去を少し振り返ってみる事にした。
幼稚園の先生は可愛くてパワフルで好きだったな。…でも浅ましく欲の出た日、というのとは少し違う気がする。
小学校で通っていたテニススクールの先生は、長い髪が印象的だった。
中学に入って背が伸びて、目立つ所為か女子に呼び出される事もあった。学年が上がる毎に回数も増えて、その中の何人かと所謂恋人同士になったりもした。
けれどおそらくあれも、欲の出た日とは違う。憧憬と興味が主な理由だった気がする。(失礼な話だが)
>じゃあ乾のはつこいいつやねん。
大事なものは無くしてから気付くタイプの人間でね。鈍臭い男だよなとか思っては居るんだ。
その心を視線を熱を、渇望している事に気付いた時には常に色々オシマイになっているこの間抜けさ加減。
そういう意味もひっくるめて、懐かしいものだと考えていた。
はつこいを覚えているか。
浅ましく欲の出た日の事を。
近付きたいのに自分の欲を知られるのを怖がって、板挟みになった瞬間を。
…覚えているよ。
全てが鮮やかなのに、ピントが一点にしか合わないような。
その心を純粋に浅ましく欲して、強く願った日の朝焼けを。
懐かしく、思い出す。
たまには恋愛小説もいいものだな。ありがとう、忍足。
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