top
┗
日々是
┗339
339 :
乾貞治
2011/08/24 20:20
珍しい体験をした。
夏の気配はどこへやら、過ごし易い日々が続いているな。寒い方へは直ぐに順応するくせに暑さへの順応が苦手な俺としては今日からが試練だった。練習と試合以外で汗をかいたところを見た事が無い幼なじみを少しだけ恨めしく思ったりもする。
…そんな中でも日々楽しい出来事を見つける習慣は生きていて、最近は学校帰りに小さな図書館に立ち寄って格言集を読み漁るのを楽しみにしている。口から無意識に漏れてしまうからデータを纏めるには適さない場所だが、木立に囲まれて人気の無い雰囲気が「何もしない」事をするには適していると思う。
が。人気が無いとは言え人が全く居ない訳でもなく。
「おにいたん、これ読んで」
差し出される一冊の絵本。偶然にも読んだ事のある、うさぎが二羽出て来る話だ。
…あれ、保護者の方は…と思っても母親らしき女性は年子と思われる兄弟に小さいけれど熱心な声で絵本を読んで聞かせている最中で、此方に気付く様子は無い。
その間にも差し出され続ける絵本とどこか寂しげな視線にほだされて、受け取った本の最初のページを開いた。
…途端に膝によじ登ってくる子供。
まあいい、乗り掛かった船だと膝に乗せたまま絵本を読んでいると、子供から注文が入る。
「もっとりんじょうかんたーっぷりによんで!」
…やってやろうじゃあないか。
見ていろこれが青学No.3の実力だ…!と臨場感たっぷりに読んでいると、……あれ?もしかして寝…てる…!
え、どうする俺、絵本コーナーに居る母親に声を掛けたら確実に起こす。しかしこのままだと子供が居なくなったと母親が心配するだろう。…かと言ってこんなにグニャグニャした人間を抱えて歩くには俺のスキルが無さ過ぎる。
案の定子供を探して辺りを見回し始めた母親に、咄嗟に眼鏡のレンズをチカチカ反射させて気付いて貰いましたとさ。
不審者と思われたらどうしようかと危惧していたが、駆け寄ってきた母親の謝罪で霧散した。
…子供というのは案外起きないものなんだな、首がガックンガックンなっていても口を開けて寝ている姿に驚きを通り越して少し笑ってしまった。
………………………………………………
8/22
嬉しい事が、一つ。
[
返信][
削除][
編集]
[
Home][
設定][
Admin]