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日々是
 ┗341

341 :乾貞治
2011/08/29 16:11


先日跡部の家に招待された。

正直邸、と呼ばれる場所に足を向けるのは初めてで、もう行く過程のリムジンからして場違い感が否めない。家庭の廊下を長いと感じたのは人生初だ。…門扉から玄関までが遠いと感じたのも。

何をどう気に入ってくれたのかは分からないが、これから度々訪れる事が跡部の中では決定事項になったようだ。…まあ両親が海外出張中の今は美味い飯が食える事は有り難い。テニスコートで跡部のデータを直接取れるのも、な。
ただ風呂が…本気で薔薇が浮いていたのには吃驚を通り越してちょっと引いたな。跡部には跡部専用の風呂があるらしく、素敵に情熱色に染まるこの風呂は俺の為に誂えてくれたらしい。…中学生男子に薔薇風呂。

朝練に付き合え、という事で案内されたゲストルームが無駄に広い。横幅の方が長いベッドに天蓋付きとか、…うん。
しかも跡部が自室に帰らない。「不満か?ちょっと狭いが別にいいだろ」などと言ってベッドで寛いで結局夜中まで取り留めの無い事を話して過ごした。珍しい人間が泊まりに来た事がどうやら嬉しかった様で、練習メニューについて無邪気に喋っている姿は不思議と年相応に見えた。

不埒な目的じゃあないのか、と尋ねると目を丸くして笑った後で「そういう目的で連れ込む奴には、ベッドに薔薇の花弁散らしとくのが普通だろ。今日はそういう気分じゃねぇから安心しとけ」と。
…スマン、普通が分からない。
どうやら花弁を散らしておくと体重が掛かった際にふわっと香るらしいね。その方が燃えるだろ?と聞かれてもシーツの洗濯の心配をするだけの俺には分かりそうも無い。…けれど、部屋に芳香するものが置いて居ない邸では、香りはそうやって楽しむものなのかも知れないと妙に納得はした。

跡部の寝癖姿という貴重なデータを手に入れて、馬に乗せて貰った後随分ハードな朝練に付き合って美味い朝食を頂いて帰って来た。
家の前でリムジンから降りるのがひたすら恥ずかしかった。

また機会があれば、と別れたその日にまたお誘いがあったのには笑った。跡部の感性が人と違う理由を学べたと思う。


……………………………………………

名前を出して貰って漸く勘違いじゃあないと気付いた辺り、鈍過ぎるな俺(笑)ラストスパートに入っているのが寂しくて仕方ないんだが、俺も話せて嬉しい。
最初の頃からの愛読対象だった君が幸せに笑えている事を嬉しく思っているんだ。あと12ページ楽しく読ませて貰うよ。

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