top
┗
日々是
┗354
354 :
乾貞治
2012/04/27 21:11
朝にメールが来ると、目尻を下げたまま1日を過ごす事が多い。
俺と恋人は違う学校に通っているし、彼の授業風景は想像するしか無いのだけれど。
俺と二人で居る時には見せない真面目な顔をしている確率は90%を超えていて、そういう顔を日常で見られるであろう彼の担任教師が羨ましい事がある。
勿論俺も授業中は至極真面目に過ごして居るしおそらく部活の間もテニス以外の事を考えている様には見えない筈、だ。…見えない、と言い切れないのは他人の気配に敏感過ぎる友人が居るからであって、不二以外に突っ込まれた事は無い。
部室に向かう道すがらだとか、午後の授業中に差し込んで来た光だとか。昼飯に食ったサンドイッチだとか、部活途中で降り始めた雨の音だとか。
何気ない五感からの刺激でふと、彼の顔を思い出す。
朝にメールを貰うと、その瞬間に見た事の無い筈の彼の真面目な視線を「思い出して」未だ知らない顔がある事にどうしようもなく唇の端が持ち上がる。
………まあ同時に同量で俺しか知らない顔も思い出すのだから、咳払いなんかして誤魔化してはみるんだけれどね。…眼鏡をかけているのは、こういう時に都合が良い。
…今頃何をして居るんだろう。
そうやって考える時間は、この10ヶ月で格段に増えた。
-ロロ-ロロ-ロロ-
どんなに些細で小さな事でも、新しい発見がある瞬間と言うものは心が躍る。
それは普段奔放な彼が躊躇いがちに「お願い」と言う名のお誘いをかけて来る時も同じだ。
俺が言おうとしていた事を先回りしている辺りが、嬉しくて仕方ない。
…俺がNOなんて言う筈が無いのに、ね。
それでも恋人に向けて願い事を口に出す時に、ほんの少しだけ身構えてしまう気持ちは俺にも良く分かるから。
そういう「好きだからこそ」の慎重さが、愛しくてならない。
-ロロ-ロロ-ロロ-
早急に新作汁の改良が必要だ。
平手打ちの痕を嬉しいと思う事までは許容範囲だが、…これが快感に変わる前になんとかしなくては。
[
返信][
削除][
編集]
[
Home][
設定][
Admin]