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忍ぶ猫の足跡が残る部屋
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374 :
跡部景吾
2013/08/15 12:36
然程長考もせず、流麗に筆を滑らせ日記を綴る忍足の傍らで俺は黙ってその姿を眺めていた。
>>372
を綴られる前、長い恋文と言っても良い内容も貰った。忍足らしい言葉の羅列に、コイツの文字には嘘は無いと感じたぜ。
俺もそれなりに場数を踏んでは来ている所為か、心から言ってねぇ美辞麗句文っうのは直ぐ解る。
本当に言っているのかよ…と冷めた視線で見た事も少なからず在った。
俺自身に向けられた言葉で無くても大体は解る、そして予想は大概的中して行く。数々のサンプルケースと結果を照らし合わせれば、先は見据えられて居た。
否応無くとも己の中で、カウントダウンの数字が動くと言うもの。
だが…此の忍足は違った。(敢えてこう言う表現にするが)
今までのサンプルケースが全く当て嵌まらないのだ。不思議だった、俺はこんなに幸せにさせてもらって良いのか?と少しづつ疑問も生じてきた。
こんなに甘やかして貰い、己より俺優先に考えてくれる奴なんざ初めての経験で、如何反応して良いのか躊躇う事もしばしばだった。だが、誰にでも与える優しさは必要はしなかった、忍足の優しさの真意は何処から来るのか。
演技なのか、本心からなのか。
だから聞いてみたんだ。
『何故、俺にそんなに優しいんだ?』と。
偽善の優しさ以外経験は余り無いんで、その優しさを形成されて居る成分を知りたかったんだろうよ。
その答えを読み、感じた事。やはり凄ぇ奴だと思った…。俺相手に此処まで出来る奴は皆無だろうよ。
そもそも、俺が俺と付き合うと仮定したらば、難解だと踏んでいる。
忍足は持久戦でもなんなくその障害を越えて行くんだから、御前の懐の広さと深さに、優しさ慣れして無い俺は泣いた。
こう言う奴も居るんだと…
自分の損得勘定考えず、相手の為だけに捧げる生き方。…まず九割には無理だろうよ。俺はえらい男を傍らに置いちまったもんだと思うが、誇らしさも同時に感じていた。
だが、手放しで喜んで居る訳ではねぇ。
俺も忍足に肩を並べて生きていける俺で在りたい。
ハードルは若干高いが、飛び越えてみせるぜ。
甘過ぎて胸焼け起こしたら、投薬しろよ。
殺伐と言う投薬は要らねぇけどな。
伝わったぜ
俺の愛して止まない忍足へ
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372 :
忍足侑士(猫屋)
2013/08/13 13:19
昨夜跡部に思わぬ質問をされて、首を傾げた。
『何でお前は、そんなに俺に優しいんだ』
そう問いかけられた盆入りの夜。
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跡部には昨夜のうちに少しだけ話したんやけど俺が優しいんやとするならそれは、跡部の事が好きで愛しとるからやろう。
確かに俺は基本的に誰にでも優しい部類なんかもしれん。跡部がそう言うとったから。
そんな俺でも、惚れた相手はやっぱり特別で誰より優しくしたりたいと思うとる。
恋人である俺が恋人に優しいのは当たり前とちゃうやろうか。
跡部に『友人の方が優しいじゃねぇか』とか思われたら恋人失格ちゃうかと俺の中ではそう言う考えやねん。跡部は『俺にそんな価値は無い』とか何とか言いそうやけど、この場合跡部のその意見は却下やで。
俺が優しくしたいから優しくしとるねん…そこに価値って必要やろうか。
嫌や言うんやったら、嫌やと言うてくれれば控えるけどな……そうや無いんやったら、安心して甘んじて受け取っといて。
俺は跡部を甘やかしたいねん、誰よりも。跡部の事はそれなりに知っとるて自負しとるからな…。
何もかもドロドロに融かす毒のような優しさと愛を跡部に捧げたい。
我ながら、ちょっと捻くれた愛情表現なんやと自覚もしてるで。
せやけど、打算とか計算での優しさや無い事は言うとくで…ちゃんとな。
言うたやろ?付き合う時に。『覚悟した』って。
あれは、俺の総てを掛けるて言う事。
ちゃんと向き合う事。
跡部だけ見つめる事。
偽らん事。
大事にする事。
そうしたら自然と跡部に優しくする事ってのが付いてくるねん。
そうやな…なんて言うんやろ。
俺の本質やと思ってくれたら良いと思うで。
そう在りたいと思っとるから…もし俺が優しくできてて跡部がそう思っててくれるならな。
伝わったやろうか?
大事な愛しい俺の跡部。