忍ぶ猫の足跡が残る部屋

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┗忍ぶ猫の足跡が残る部屋(336-345/455)

345 :跡部景吾
2013/06/09 22:53

以前、さして此の世界に未練はねぇと達観視して、俺は冷めて居た。
紡ぐ言葉、紡がれる言葉は上滑りで残る事は無い。
形式上ならば何とでも言える、互いに。

欲しい形は、理解して貰って無かったらしく、にっちもさっちもベタベタするのも悪くはねぇが、深い部分の精神的支配をしたい、されたいと言う欲が強かったのが本音。中々それを求められる奴も居なかったが…

忍足は如何して俺のそんな部分を解ったんだろう、俺は御前に一言も告げて居なかった筈だがよ。

俺の誕生日に貰った物は忍足の指に刻まれて居る。
今年の忍足の誕生日には俺の躯に何かが刻まれる。

以前からライトな付き合いは友達だけで良いと思っていた。
寧ろ、ライトな付き合いはもう出来ねぇ…。
此の甘美な背徳的な世界を築き上げてる途中半ば。
重いんだろうよ、他者が見れば。その重さが俺を安心に誘うんだ。

御前は俺の傍らにずっと傅いて居れば良い。
御前の頭を俺はずっと撫でて居るからよ。

***

忍足の日記が上がって居たのを記載してから気が付いた。
御前の言葉に付随するモノは次回に綴るぜ。

御前に可愛いと言われるのは悪くねぇ、格好良くて美しいのは標準装備だからよ。プラスアルファを引き出してくれる御前が愛しい。

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344 :忍足侑士（猫屋）
2013/06/08 23:10

自立した依存。
どうやら跡部も納得したみたいで、妙な達成感があるわ。

跡部のインサイトはホンマに凄い。内側迄見抜くその眼力に舌を巻く事もしばしばやし。
せやから、本音で俺等は話し合う。未だ喧嘩した事もなく過ごせとるんが不思議やけど、お互い思い遣りを持って過ごせとるんも要因の一つやろうと思っとる。
今までそれなりに話して意見が全部一致して来た訳でも無いんやしな…。
飾らへんと偽らんと話し合って認め合う…そう言う関係性なんやと思っとる。

隣を自分の意思で歩いとる跡部が愛しくてしゃあないで。

凝り固まった形式
　　　　　　認識
　　　　　　平凡

所謂常識と呼ばれる類。

そんなんは要らん。固定観念に囚われた常識より相手に迷惑を掛けへん良識があれば良ぇし、儀礼的な形式で心が伴わん言動する位なら未だ俳優の様にプロ意識でもって演目を演じきる方がマシやし、平凡な怠惰に浸るなら退廃的で爛れた刺激の方が良ぇ…

多少の歪みはご愛敬。
鏡を合わせたかの様に型に嵌まる歪みは愛情と独占欲。

目の眩む様なそんな世界に憧れを抱く俺と跡部。
なぁ、連れてったるで。跡部が望む世界に……真綿で出来た檻の中でも、窒息しそうな光の箱庭でも…何処にでも。

愛しとる、跡部。

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343 :跡部景吾
2013/06/02 18:07

彼奴は優しいと一言で言い表すと、とても簡単な言葉だろうから。

俺は本物の優しさと作られた優しさは見抜ける。
しかも自分に得が在るから優しく接する見返り求む偽善者型を見ると乾いた笑いすら出ちまうんだが、忍足は己を犠牲にしてまで優しくする自己犠牲型だと何時も感じ、尊敬しちまう所が多い。

損して得取れじゃねぇが、こう言うタイプが最後には笑うんじゃねぇかと思う。

**

側近が頼んだブツを持って来たというので、此れからの向学の為に使わせて貰うつもりだ。

最近呆れ果てる事が或る事で多いが、否応なしに目に入って来るから諦めた。
ま、所詮遊びと片付けれゃそれまでだが、その自覚も無いから救いようが無いとはこの事。倫理観がズレているのも困り物だぜ。

愛ってそんなに誰にでもお手軽に囁くモンかねぇ…。

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342 :跡部景吾
2013/05/28 18:03

随分楽しそうに日記を書いとるな、と忍足に言われた事と、忍足が何かを目指し始めた事柄。
ああ…別意味でも楽しいがな。

**

それは目眩を起こす程の旋律に乗せて問われた言葉…
唇に触れる指腹の蠢きと同時に鼓膜に響く声は穏やかな表情と裏腹に身も心も堕ちるに十分だった。
望んだのは俺、受け入れ真意を汲んで言わせたのは御前だ、忍足。

御前の棘で雁子絡めにして欲しかった俺の望みが叶えられる日も近い。
それは足踏みして居たんでも様子を見て居たんでも無く、然るべき日が来たと自然の成り行きで訪れれば良いと感じて居た部分だった。

さっさと全て奪っちまえ…。崩れた壁の先は又未知の世界が必ず広がって居るはずだからよ。
それを又越えて行くのも愉しいだろう。

自立した依存…良い言葉だ、そして的を得過ぎた解釈に俺は口を挟む隙すらねぇな…。

唯ひとつ言わせて貰うならば、俺は歩調を無理矢理合わせては居ない。
俺も御前も同じ早さで歩きたいから歩いている。
其処が御前の言う自立と言う言葉に繋がり、隣に居るのが当然だろうと言う自信から来る依存に繋がると俺は解釈するぜ。

忍足の目指す所の話は、本人に直接言ったんで敢えて触れねぇが、今の御前だからこそ俺は此処まで自分を委ねる事が出来るんだぜ。有り難うよ…、忍足。
御前が居るから、俺は立ち続ける事が出来る。

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341 :忍足侑士（猫屋）
2013/05/23 21:36

跡部に悪い男と言われると、自然に歪む唇。
悪くない心地良さに、うっかり更に悪い男になろうかて思ってしまうものの柄やないんも事実で企む程度で事は終わる。

相手を疲弊させるんは、不本意やからなぁ…？

上手い言葉が見付からんまま数日が経ち、先生がつまらん冗談言いながら進める授業の合間に思考巡らせれば糸口が掴めそうな単語が脳裏を掠める。
それから連想し、発展させ転換させた結果８割…いや、９割がたしっくりした気がするで。

それは、自立した依存。

相反する言葉なんは勿論解っとる。普通は成立せぇへん事も。

それを踏まえた上で敢えての言葉。

支配、隸属、独占欲に優越感。
それは正に依存て言えるもん。

せやけど、無自覚で歯止めが効かんくなる様なもんやない。相手を想いながら尊重し、束縛しながら自由で居ってもらう。
跡部はひょっとしたら俺に合わせてくれとるんかもしれへん。
その合わせてくれとるかもしれへん要素も含めて自立しとると思うとる。

せやから、自立した依存て言葉が今のところしっくり来たんやけど…跡部はどう思う？

**************

さて、跡部に綺麗な桜の画像をもろたし旅行再開せなアカン所やけど艶かしい事も捨てがたい。

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340 :跡部景吾
2013/05/20 09:12

悪い男になし崩しに溺れた夢を見て目が覚めた。
きっと俺が見ていた過去の忍足の記憶が要因じゃねぇだろうか。悪い男程俺の瞳には魅力的に映り、追い掛けたい感情に駆られる。

間合いを図りながらの会話、柔和で居ながら御前には縛られないと言う空気を醸し出されたらハンティングの血が騒ぎ、長期期間年間スパンを費やしてもコイツにもっとも楽であろう己の立ち位置を吟味し…手に入れるのが醍醐味。
もっとも根底には相手に対しての強固な趣好は揺らぎ無い。妥協する気は全く無い。

腕に収めたら勿論大切にするぜ…俺なりの形でな。
それが、今。
俺と御前の関係の的を得た言葉が出ないと忍足は言う。

主従関係と言う言葉とも違うらしい。

俺は御前に見えない首輪を付けて可愛がり愛し、そして俺も御前から可愛がられ愛される。

…やはり解らねぇ。
上手い言葉が出て来ない。

俺が差し出した脚を桶の中に香油の入った湯に浸からせ傅きながら丁寧にマッサージし、爪先から唇を這わせて行く姿を、綺麗に型に嵌まりやがるぜ…と見惚れながらも、コイツ過去は、誰にも捕らわれたくねぇあやふやな空気蔓延の苛々させる男だったんだなと、回想して居た。

そんな奴が、精神的に見えない首輪を付けろ。と言うのは以前には到底考えられねぇ事。俺が求める究極の形となる。驚喜する程の形の無い究極のプレゼント。
ああ…リードは確り俺が握って離さねぇよ。
だから御前は俺の与える愛だけ浴びてれば良いぜ。
差し出された忍足の気持ちは愛玩し捲り大切に俺だけのモノにし見えない枷まで装着してやろう。

俺の精神的支配欲を此処まで満たしてくれる御前は今現在でも相当悪い男…だな。その点は何も以前と変わらねぇ。
あの夢の男はやはり御前だったのかもしれないな。
…相当な翻弄ぶりだったぜ？

***

漸く咲いた桜。
チッ…俺を相当焦らしやがって…、待って居たぜ、御前達、お帰り。

人の気持ちも知らず雅やかな風情で薄桃色の花弁をたおやかに広げて青空を背景に一枚の画を作り出して居た。

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339 :跡部景吾
2013/05/16 21:36

ライバル

俺のライバルは手塚、御前だ。だが手塚と同格レベルの奴が、先月から俺の行く手を時折阻みやがる。

そう…。
雨模様学園の「低　気圧」と言う名前の宿敵。
御前が俺の前に立ちはだかると、頭痛と目眩がして鼓動が早くなるぜ。決して恋心から来る身体の乱れではねぇのは解っている。人の手は欲したくねぇが、多少は優しさで出来ている学園の「鎮　痛剤」の補佐が欲しい所だな。

***

以前、コントのネタ合わせの如く日記に綴るネタを日々試行錯誤して居た時期が在った。
そうなると面白かったバトン交流や私信飛ばしまで、義務感からになり億劫になるモンで、麗々しく文章を書ける気の効いた性格でもねぇから何ヵ月間放置がザラだったが、喧騒が落ち着いた此の場所でゆっくりと静かに日記を綴れる今が、あの頃より本当の俺だと感じて居る。

忍足に首輪を付けてやる話しは次回に。
物質的な物やプレイの話では無く精神的拘束の意味合いだが、俺側から言わなくとも俺が求める物をリボンを付けて持って来る御前には感服してるんだぜ。

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338 :跡部景吾
2013/05/10 18:46

クラシックの演奏会のチケットを入手した。
貸し切りじゃねぇのがどうだかだが、演目がワ・ーグナーなんで渋々譲歩せざる終えねぇ。
しかもホールが古い、音響設備が悪いのも解って居るが、ワ・ーグナーなんで目を瞑る事にした。仕方ねぇ。最悪だったら楽団追い掛けて音響の良い音楽堂で同じ演目を聴いてやる。
美術館にシ・ャガールもやって来るし秋でもねぇのに芸術に触れる機会が目白押しだ。

我が家に在るピアノの鍵盤を久し振りに叩いてみたら、聴覚がザワッとして気持ち悪い。鼓膜から船酔いになる感覚でムズムズする。文章を読んで船酔い状態につい最近なったばかりだが、音からも来るとは思わなかったぜ。
調律を忍足は出来るんだろうか。
ヴァイオリンを弾く人はピアノの調律に長けていると言うから聞いて見る事としよう。

***

暖かくなりどこぞで見知った顔を良く見掛ける様になった。
春になると活動的に浮き足だった気持ちに誰もがなるのだろうが、その半分でも俺に寄越して欲しいモンだぜ。長い冬疲れが今に来ているのかもしれない。

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337 :跡部景吾
2013/05/05 21:23

別荘に友人を呼んで長い時間共に過ごした。
友人はゲストを伴い訪れたが、対面に着座したゲストが開口一番、俺の顔を見るや否や、
「貴方に実際会うのは二回目だけど、以前から俺は逆らえる気がしないと思った」と言う。
面付き合わせて対面する前、このゲストは何度か俺を見掛けているらしく、大会でニアミスも何度かあるし、写真も持ってると吐露する。
それも俺の友人と仲良くなる前だったと言うから、人の縁なんざ何処で繋がるか解らねぇモンだ。

そいつはタロットカードの絵柄が人物を見た際、イメージで頭に湧き出るらしく、初対面で俺を見た瞬時「戦車''The Chariot''」と「力''Strength''」のカードが浮かんだ…と説明をする。

興味が在るから占わせてくれ、と言うんで、話のネタにやって貰った所、設問は変われど必ずその二枚のカードが表示される。
砂糖無しの珈琲を飲み続けながら結果に耳を傾けて、へぇ…信じやすいタチではねぇが、強ちコイツの言う内容は思い当たる節が在るぜ…と感じながら、その二枚のカードを不思議な気分で見続けて居た。

「思った通りのカードが出る。やはり強い」
ゲストは薄ら笑いを浮かべて俺に言う。
「ふぅん…当然良いんだろうよ」
「今まで通り行って問題は無いよ、ただ…」

「ただ？」

「全て終結してる、達成されていると言う点で跡部さんが満足出来るかと言う部分だけどね、その点で不満要素が出てくるかも」

「成る程ねぇ…飽きっぽいっう意味でもか、現状より上を求めるっう事を言っているんだろうと思うが」

「何処まで行っても満足出来ない人なんだろうな」

…良く解って居るじゃねぇのよ。
俺自身強欲なのは熟知してるし、欲しいものはおいそれと目の前に現れない。

時間を持て余した遊びとしては、面白かったぜ。

***　

休暇を終え慣れ親しんだ奴の隣に帰って来た。
俺が別荘滞在期間、浮気もせず良い子で待つのは当たり前の事だが、日中は忙しく動いていたんで忍足への連絡は必然的に夜間になる事もしばしば。
返事が来ねぇんで、俺側が眠くなりおやすみメールを飛ばすと転た寝してたとの事。
アン…？鬼のいぬ間の命の洗濯か？…とは冗談だが、俺が休暇中、彼奴はずっと部活に勤しみ疲れてるんだろうなと解っちゃ居るが、たわいの無ぇ話でも、忍足の声を聴かねぇと眠れない俺は、やはり万能薬持参で旅立たなければいけないのか…と実感した次第だった。

忍足よ、運が良いんだか、此方は未だ未だ桜の「さ」の字もねぇ。来月近くになるんじゃねぇか。俺等は桜を時間差で愉しめてお得感満載だな。

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336 :忍足侑士
2013/04/30 23:18

いつぞや、跡部が思い出せなかった単語について結構前になってしもたけどあれやこれやと話し合ってみた結果、非常に解りやすい単語…と言うか、歌のタイトルやった。

分かった瞬間思わず『これかいっ』と突っ込みを入れてまう程やった。
せやけど、跡部が言うてたそれは俺が前跡部に向けて確かに言うてたもんやさかい、嬉しく感じたで。

跡部の好きなとこ。

俺が離れて行く訳が無いとキッパリ言い切れる所。

そう、自信を持って言える跡部が眩しく見える。そういう瞬間を含めて跡部が好きやねん。
跡部の言うた通り、俺が離れて行く訳もなく喜んで傅いて傍らに居るやろう。

言いかけた事や無くて、ダジャレやったんやけど…知うのはさておき。珍しく夕方からの部活前に残りの日記を書こうと思って来てみたら跡部がなんや可愛ぇ事言うてるなぁ…。
確かに、昨日は跡部が別荘に行ってしもてたさかいにあんまり話しも出来へんかった俺はうっかり転寝、その間に跡部から鳩が飛んできてたもんやさかい慌てたけどな。
あの時間に目が覚めるんは、やっぱり習慣性なんやろか…悪い習慣性やとは思えへんから良いんやけどな。

跡部、早く帰っといで。そんで、出掛けような…未だ旅の途中やし。

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