忍ぶ猫の足跡が残る部屋

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┗忍ぶ猫の足跡が残る部屋(326-335/455)

335 :跡部景吾
2013/04/28 04:32

妙な時間に起きる。丁度睡眠のワンクール。

今日に至っては正解っちゃ正解だが、あの媒体のお陰なのかもなぁ…無いと成り立たないかもと結論。
まあ良し悪しだが、とかく目が冴えちまったんで世情でも覗き見しに行こう。

**

休暇で樺地を連れて別荘に来ている訳だが、どうも何時も傍らに居る奴を置いて来ると居心地が悪い。
妙な時間に目が覚めるのは、大概俺が独りの時。

其所まで神経質では無ぇと自負してるが、御前の温もりを無意識的に探して手が宙を舞っているのだろうよ。忍足も地元に帰省し俺と同じ心境を味わいやがれ。

ん？…何だ忍足、言い掛けた事は最後まで言いやがれ。
っうか、御前の事だから忘れてしまったとか言いそうだがな。

(5/3編集)

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334 :跡部景吾
2013/04/22 23:00

ギャップが在るのが大好きな俺様。
特に平素、格好良い所作をして居る奴が俺の前でだけ相好を崩す様を見るとゾクリと背筋に妙な戦慄が走る。

忍足とはキングサイズのベッドで日々寝起きを共にしている訳だが、寝際萬話を語らい寝てしまうのが大概の情景である。

だが昨夜は、先に眠ってしまった俺を俺は叱咤した。
意識が遠くなっていき掛けの最中遠くからおぼろげに聞こえて来た

『ちゅっちゅしながら寝ようや』

と言う忍足の言葉に、ガバチョと覚醒出来なかった俺を悔いたぜ。
本当に面白ぇ奴…俺のツボを良く心得えていやがる。当の本人も、ギャップが在る方が好きやと言ってくれている事だし、擦り合わせする事無く互いが理想の相手と言うのは願っても無ぇ事。

T/he Jaz/zma/ste/rs　の奏でる旋律の様に穏やかで嫋やかでそれで居て深い響きを発する存在に、俺は安心しきっているのだろうな。

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思いきり眉を潜めて居ると手塚が声を掛けて来た。

「御前は強い子だから問題無いだろう」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
どこぞの飲み物かよ。

ああ、俺は御前が言う様に強い子だ。　だが視界に無理矢理潜入してくるのは非常にウゼェ…。周知の事実なだけに尚更。
何処の世界にも偽善者面した奴が居るが、本人が自覚が無いのがタチが悪い、誰にでも良い面を晒している奴程信用は皆無に等しい。

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333 :跡部景吾
2013/04/08 12:46

『花見はしたいがよ、ありふれた花見はしたくねぇな。面白くねぇ。』

#『せやな、俺もそうやねん。ほな、学生らしく無い花見をしに行こか…』

と、言った気がするんだが、そんな忍足がプランを立てた花見の話は後日。

**

何もする事の無い週末。
漫然と白紙を見続けそれを破く。無駄な過ごし方程、建設的な思考が訪れるかとも思ったがそうでも無さそうだ。

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332 :跡部景吾
2013/03/23 18:28

何時も施術してくれるトレーナーが、俺の肩に触れた際、発した言葉は
『何だ、これは！』だった。
何処をどう見ても肩だろうが…と心の中で突っ込んだがそれには訳が在る。

暫くサボって居たツケで筋肉が鉄の板化したらしい。身体はテニスで当然動かして居るんだが、それを上回る生徒会の雑務によるパソコン操作の姿勢が仇になっている様だ。
一度の施術では太刀打ち出来ねぇと踏んだ俺は、当分施術を受ける事にしたが、忍足が専属トレーナーになってくれるなら、寝際に躯を解してくれるだろうに…。
その侭眠りに落ちるとか最高の寝入り方じゃねぇの…と一石二鳥を何かと目論みたくもなる。

何たってうちの忍足は有能な男だ。
多方面に熟せるジャンルが多い。
俺が大人になった際、如何の様な職業に携わって居ても片腕として傍らに置いておくが、目先の要望は俺の肩の重石をよけろ。（…）

***

如何の様なストーリーに持って行くのかは、常に頭の中に在った様に思うが、今は皆無になっちまった。
悪い意味での緊張感が無く、俺達の物語は時に任せて流れて行く。

日々、確信を持って

愛してる　と言い合える相手が居る幸せを当たり前と思ってはいけないと自負してるが、忍足は俺の最後の男になる奴だから、最果てが見えるまで囁き合って居る事だろう。

意識を手放しながら漸く言葉を発して眠りに落ちて行く御前を見て、御前が俺を愛する内は無限に何かと沢山注いでやろうと思った。

ま…忍足が、俺から離れる事はまず皆無に等しいと自信を持って言えるがな。
　　　　　　　　　　　　

愛してるぜ…、忍足。

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331 :跡部景吾
2013/03/22 17:38

俺等の関係を知ってる奴に、
『跡部さんと忍足さんは何時頃から付き合うてるんですか』

と聞かれ、何時からだろうかと腕組み暫し思考した。

忍足と折りに触れてその部分は話題に上るが、結論は解らず…で終始落ち着く。
勿論、記念日設定も無し、クリスマスはお化け屋敷で過ごし、バレンタイン、ホワイトデーに関しては何時の間にか終わっていた。
イベントに拘るったら互いの誕生日ぐらいだろうな。
互いにその面が雑把だからこそ噛み合って居るのは有り難い、イベント命の雌猫共には俺等は物足りねぇ男だろうよ…と自覚はしているが多分此れは治らねぇ。
まあ…忍足は俺と違い思い遣りの在る格好良い王子気質な男だから女受けは良いだろうが俺のモンだから当然手出しはさせねぇがよ、密封パックに入れて遣りたいぐらいだ。

漠然とした理由の一つには、月日を数えて行くのは終結を踏まえての想い出作りの行為としても受け取れるので、敢えて濁しておくと言う部分、
縁起を担ぐ訳でもねぇんだが設定すると気分的にカウントダウンしてる気になる…と言う忍足の意見に俺も同意していた。

『……。アン？そうだなぁ…気が付いたら、何時も横に居るのが当然になっちまってからだから日程云々は解らねぇが、詳しい交際期間よりアイツとの日々を大切にして行きたいぜ』

と表情崩れそうなのを我慢して返答した。
畜生…危うく照れそうになっちまったじゃねぇか、そんな俺の表情を見るのは忍足だけで良い。

***

目を奪われた一枚だった。
砂丘の中に人物が後姿でポツンと佇み旗を振っている写真。

それが切っ掛けで植・田正・治と言う写真家を知り彼の作品を訪ねたいとまで思う様になる。
その写真の被写体は御本人自身で、愛した伴侶との永久の別れを表したとの事だが、それで何処か背中がもの悲しかったから俺は、惹かれたのかもしれないな。

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330 :跡部景吾
2013/03/18 23:47

俺は自然体の侭だと言うのに、忍足は良い意味合いで思考をするらしい。

俺に何をしたら喜ぶのか、笑うのか、そして……忍足の方を向いて居るのか。

御前程、罪な奴にはとんと御目に掛かった事はねぇよ、と又言ってやる。
その許容範囲の広さと懐の深さに、こいつには俺でも敵わねぇなと感じるシーンが多々在る。
そんな奴が傍らに居て、何処を向けば良いのか俺が聞きたいぐらいだぜ。

互いにイカれてちゃ世話ねぇよなぁ…。所謂ただのバカップルじゃねぇの、良い事だ。会話が甘過ぎて傍目が見たら砂を吐きそうだろうが、何処か他人事の様にしか己自身を見てなかった俺等だからこそ、この感情は貴重なんだろうなと思える。
何時までも喧嘩も我慢も気負いも無く、向かい合える互いであれれば良いな。　

------

今日は良く手から物を落とす日だった。
携帯電話、iPOd、開ける前の飲み物の瓶だのガコンガコンと縦横無尽に落とし、樺地に「ウス…」と何度か拾われる。
急に真冬日の気温に逆戻りしたんで筋肉が硬直して動きが悪くなっているのかもしれねぇなぁ、などど自己分析してみた。
飲み物はペリ.エだったんだが、蓋を取って飲もうとしたら、樺地が横からそれを奪い激しく首を振られた。
そうか、以前もやった事が在ったよなぁ…後始末が大変だったのを思い出す。

何を言いたかったかと言うと俺様の季節的での春はまだまだ遠いって事だな。

それと最近面白ぇ読み物が出来た。
忍足を巻き込み、日々愉しんで居る。

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329 :跡部景吾
2013/02/27 17:46

手塚と交流試合の打ち合わせで、一流ホテルで御茶を飲んだ日の事。
手塚は甘い物が好きらしくホットケーキセット（ドリンク付き）をオーダーした。メニューの写真は大層美味に見え手塚はそれに心を揺れ動かされたらしい。
此処でのキーポイントは『一流ホテル』決してビジネスホテルでは無いと念を押す。

俺はブレンド珈琲だけ頼み暫し手塚と歓談。
そしてオーダーし運ばれて来た代物を見て俺等は愕然とした。
明らかにホットケーキは学食で部員が食っているレンジでチンの代物にしか見えねぇ。
手塚はそれを暫く見続けて居たが

#跡部、これはレンジでチンに見えるが、俺の視力が落ちたのだろうか。

と言うので

いや？明らかにそれだろうなぁ…、見てくれだけかよ、このホテル……と言うや否や、手塚はテーブルに見るからに責任者的な男性を呼び、こんこんと説教を始めた。

#レンジでチンを出すとは、それでも○○ホテルですか。名前が廃りますよ…

云々…。

確かに、遠征で温泉宿に宿泊した際でも温泉宿すらでも、モーニングはシェフが目の前でパンケーキを焼いて居た。
名前に胡座をかいている所程、客側への対応に力を入れてねぇのかもな。
因みに珈琲は落としたてだからこっちは未だ良しとするがよ。

表情ひとつ崩さず、淡々と怒りを内に秘める手塚は恐ろしかった。食い物の恨みは結構尾を引くのかもしれない。

***

主にしんどい時など、忍足に吐露する訳だが…んな内容は忍足にしか言わねぇ訳だが。
彼奴は俺が言う前に、野生の勘なのか絶妙に何時も労ってくれる。インサイト搭載してると言うだけは在るなと感心しちまう。

俺には底無しに甘い忍足…俺も底無しに、忍足には甘い。

昨夜、そんな状態を忍足は英語で形容してたが何だっけか？

何処かの手塚の物忘れ癖が感染したみたいだ。（遠くを眺め）

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328 :忍足侑士
2013/02/22 01:44

跡部と夜にぽつぽつと話しながら、俺の相手が跡部で良かった事を噛み締めるこの頃。

最初は跡部の好きな雰囲気やったらしいけど、付き合いが長くなれば別の顔も次第に出てくる。せやけど、そういう一面を見た所で跡部はいとも簡単に受け入れて見せた挙句嬉しそうな笑みを浮かべよる。

最近気付いた事。

あぁ、俺ってこの笑顔が好きなんやなぁ…と、ふと思ったわ。跡部が俺に話しかける時に見せる笑顔が屈託なく、素直に自分へと向けられる。その、笑顔が好きなんやで。勿論、拗ねたりしとっても可愛ぇし一生懸命心配してくれたり怒ったりクルクルと変わるその表情すべてを愛おしく思うとる。
せやけど、やっぱり笑顔やな…俺だけに向けられたその笑顔で、俺もつられるように自然と笑みを返せば、また嬉しそうにしてくれる跡部が好きやで。

何時までもその笑顔を守って行きたいと思っとる。

せやから、跡部の求める事に応える事は容易い…とは言い切り難いかもしれへんけど、そない難しい事でもない。好きな子の願い叶えるんは、相手である俺にしか出来へんのやからなぁ…？俺にしか出来へん事、沢山して行ったろうやないか……なぁ？

と、年末からこっち暫く可愛いよりも、格好良い跡部を見ながら改めて決意した次第やわ。

たまには、告白めいた内容でも……構わへんやろ？

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327 :跡部景吾
2013/02/21 22:11

忍足の膝の上に寝転がり、高見の見物に洒落込みながら過去の話に花を咲かせたが、ハメる嗜好だったと言う今更ながらのカミングアウトに、コイツが策略家なのは知っていたと邂逅していた。
取っ掛かりのエッセンスで俺が惹かれるあの匂いと雰囲気…。コイツは一筋縄ではいかないと、一番身近に居ながらでも頭の中に在った漠然とした想いは長期に渡り払拭出来なかった事実。
俺が騒ごうが足掻こうが、忍足は変わり様はねぇと高を括って居た。

#俺はそんな御前は嫌いなんだよ

と言ったのは、多少感情的になって居たのかもしれねぇが、あの頃の忍足は、近くて遠かった。

今は…近くてとてつも無く近い。
手懐けたと言うと意味合いは違う風に取れるだろうが、ツレ無かった奴が俺の腕の中に居るのは、極上の喜びと言えよう。
悪い男も魅力的だが、悪い男の顔を剥ぎ取り俺だけに見せる表情の付加価値は何物にも代えがたい。
何に関しても、直ぐ手に入る物に興味を示さない俺は、或る意味相当な頑固者でマゾ気質で在るのだろう。

苦労は買ってでもしてしろの典型的パターンかもしれねぇな…。そんな俺自身が俺は大好きだ。

***

書庫で蔵書を整理し、200冊近く売り払った。
金額云々より書棚にスペースが出来た事が愉悦だぜ。此れで読みたい本が直ぐ取り出す事が出来るが、調子に乗り購入するのはやはり控え様と思う。

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326 :跡部景吾
2013/02/14 18:32

毎年の事ながらの甘ったるい日がやって来た。

放課後、向日が全種類のポ・ッ・キーを生徒会室の俺の机の上に並べて言った。

友チョコだ、好きなの持っていけ！

ふぅん…へぇ、気が利くじゃねぇのよ…と全部貰ったら、遠慮と言うモノを知らねェな！…侑士の分が無くなった…と言われる。
遠慮？…ンなの在って堪るか、ならば最初から好きなの持って行けと言わなければ良いのだ。だが、少し可哀想になったので、ジローが寄越した俺の食い掛けのチョコを分けてやった。
奪ったチョコは忍足に幾つか向日からだと言って回せば良いんだろうよ。全く手間の掛かる奴め。

今日甘い物を一日中食ってると、流石に胸焼けがするぜ。食い切れねぇのは日頃世話になってる樺地に分け与えるとしよう。忍足も俺程でも無いが、きっと大層収穫は在った事だろうしな。

忍足にはとっくにチョコは手渡し、俺へも手渡された。忍足から贈られたチョコは胸焼けがしない。
俺好みの上質な味だからだろうな。此れを一年掛けて食う計画を立てる俺。

甘い日だからこその晒しプレイ

#なぁ跡部、大好きやねんで？

と忍足に言われて頭をグリグリしたくなった。
最近の俺は、忍足可愛さに悶え死にしそうだぜ。（ゼーハー）今日も今日とて、俺達は平和である。

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