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冷吟閑酔
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391 :
榊太郎
2007/06/27 17:56
時間の止まった様な、夏の午後。
未だ梅雨明けしていないにも関わらず照り付ける陽射しは容赦無く、纏わり着く湿度はスーツで凝り固めた体躯より機敏な動きを奪う。
陽炎を思わせる蝉の鳴き声は未だ耳に届かない。
一杯の涼を求めて、慣れ親しんだカウンターの前に座る。
汗を掻いた冷たいグラス。
だが中々唇をつけるに至らず、只々滴が流れるのを眺める。
私の数少ない親友。
先程聞かされた独白が、耳から離れない。
何か言い淀む感じが『らしく』無く、
メールでは希薄で、直接会って話すには重たいと、
わざわざ電話と言う手段を選んで来たのが『らしく』もあり胸がざわつく。
君を援けられたらどれだけか良いのに。
此の儘、時間が止まれば良い…――
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