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冷吟閑酔
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7 :
仁王雅治
2006/07/27 09:54
仁王と話すと緊張するよ、
そう言われれば俺の方こそ緊張の糸が張り詰めた。
せいぜい奪えるのは
僅かな時間と滑らかな肌の感触。
二人で夕日を眺めとったあの時
お前が欲しいって言えば手に入ったんか?
金網に押し付けて腕の中閉じ込めて
俺にはあれが精一杯。
…柔らかい唇。
怖くて怖くてそれさえもあの日まで奪えんかった。
***
薔薇園にて。
白い薔薇、薄黄色の薔薇、鮮やかな桃色の薔薇。
そして俺が思い出すのはやはり真紅。
花弁の形も様々で。
俺には個々の名前がどうにも覚えきらんが、どの薔薇にも大概備わるんが小さくとも自己主張忘れん棘。
豪奢な花弁を優雅に纏い凛々しく佇む姿に、暫し見惚れて
迂闊に手を出して初めて気付く攻撃的な痛覚に、薔薇の決意を知る。
なのに、お前はその蔦を何処迄這わせるつもりなん…
行き着く先は何処なのか?
この俺も、お前の棘だらけの蔦で搦め捕って欲しいぜよ。
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