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⊂恋は★全力失速⊃
 ┗220

220 :芥川慈郎
2007/03/05 02:41

チリン、チリン…

微睡む意識を覚醒させるに十分に足る硬質な音。
首輪に付いた鈴かと思ったら、風に揺らぐ風鈴のようでもあって。
それは、窓の向こうから。

窓のスライドする音は、嫌いじゃない。
夜風が少しずつ混濁した室内の空気を包んで。この風が、たまらなく好き。

夜の風は、どうして風の匂いが濃いのかな。

けれど、静かに満ちた世界にスライド音は随分と大きく思えて。冒険するみたいに、わくわく、とか。どきどき、とか。
なんとも表現できない気持ちがするんだ。

見上げた夜天は薄曇り。
数時間前に見た昨日の満月は何処。赤みの増した、低い位置で大きく存在を主張していた。

空は薄曇り。
瞬く星の代わりとでもいうように、チリン、チリンと鈴が鳴く。



ねぇ、眠れないよ。
どうして気付いてしまったの。

子守歌を歌って。
鈴の音と撫でる風の匂いと、君だけが足りないんだ。
君の声が聞きたいんだ。

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