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静かの海
┗15
15 :
不二周助
2008/02/16 19:47
>ゆっくりと
空が明けていくのを眺めていた。
群青が次第に白んでいく様を見るのは好きだよ。朝靄の濡れた空気を吸い込むとどうしてあんなに神聖な気持ちになるのかな。
生まれたての、一日。それを胸いっぱいに吸い込むからなのかもしれない。
#Tomorrow is another day.
有名な海外文学の一節。僕はこの言葉が好きだ。
…といっても、実際に読んだことも映画を見たことも無い。知っているのはこの言葉だけ。どんなシチュエーションで発されたのかすら知らない。
意訳よりも、直訳の響きが好き。「明日は別の日」。昨日までの悔恨も痛みも昨日に置き去りに、また新しい気持ちで朝を迎えられる気がする。
実際には僕は昔の事を忘れ去ることも出来ずに、その重みに耐え得るだけの力をつけて歩く事を望んでしまうから、切り替えられているかは謎だけど。
それでもどうしても潰れてしまいそうなときにこの言葉を唱える。
生まれ変わる朝。初めて見た朝日のうつくしさを今でも覚えている。
休みの日の前にしかこんな無謀はできなくて、窓際で毛布に包まりながら窓を開けて空をじっと見ていたんだ。
空の写真を撮るのは好きだけど、そんな気分でもなくてただぼうっと眺めていた。
色んな事を考えた。けどすぐ忘れた。
（僕は時折、酷く全てに投げやりだ）
存在の理由を誰かに求めたりしない。僕は僕で、今此処に生きている。
一日が今日も終わる。
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