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静かの海
 ┗471

471 :日吉若
2009/04/10 13:29

あの人と暮らし出してから、実家に帰ると妙に心配される事が多い。
ご飯は食べたの、洗濯物は大丈夫なの、風邪はひいてない?矢継ぎ早の質問にやれやれと肩を竦めたくもなる。
食事の内容は変わりましたが平気です、洗濯物は放り込めば乾きます、風邪をひいても看病してくれる人がいますから。そう答えて実家の慣れ親しんだベッドへ倒れ込む。
母親は料理が巧い。長年の慣れもあるだろう、何せ門下生に料理を振る舞う機会もあるものだから、実に手際良くあれこれと作る。そして美味い。
母親が大さじだの小さじだのを使うところをあまり見ない。基本的に目分量だ。それで変わらず味をキープする母親という存在を俺はいっそ畏怖している。

あの人と暮らすようになってから多少自炊もするが、レパートリーが増える気配がない。せいぜい調理実習の授業を妙に真剣に聞くようになったぐらいだ。
食器はあの人が片付ける。押し付けた覚えはないんだが、洗剤で滑って皿が割れるから嫌だと俺が零したのを覚えていたらしい。
お前が作ったんだから、片付けるのは俺だろう、と。当たり前の顔をするあの人に、最初は笑いが止まらなかった。
金持ちの割にこんな所で常識人だ。妙な所はぶっ飛んでるくせに。

そんなわけで俺は至って健康な毎日を送っているが、母親の心配は尽きないらしい。
春休みに帰った際に渡された食材が大量に。…消化に時間がかかるな、まったく。
(余談。実家から俺達の部屋まで車で30分かからない)

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