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静かの海
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476 :
日吉若
2009/04/29 11:30
もう季節は初夏へと向かっているというのにも関わらず、俺の周りはまだ異常に寒い。
日差しは既に暖かいものの、肝心の風が冷たい。その風にやられて、つい先日はあの人が少し風邪気味の様子だった。
風邪かもしれない、と零したくせに自重しないのは一体何なんだろうか。結局いつもと変わらず傍で過ごした。
寒さを訴えて正面から、背後から温もりを求めて寄り添うと、あの人はそれを揶揄うようにして笑う。
夏になったらくっついてはこないのか、と。
夏は…そうだな。指先の冷たさでも求めて、指でも絡めてみる事にしよう。
俺の行動にあの人が動揺するのなら、それで俺の勝ちだ。
先日、些細な事でまたしても俺が煮詰まった。
俺が煮詰まるとあの人は困るらしい。何でも話せ、大丈夫だ、と何度も何度も諭されて、重い口を開いた。
というか、言葉にしづらい苛立ちという物は、多くの場合俺の中でも形になっていない。
曖昧で漂っているからこそ気分が悪く、自分でも対処のしようがない。
そういった時は、ただひたすらに鍛錬に励むか、寝るかだ。または本のページでも捲りながら、無心に文字を多い意識を逸らす。
だがあの人は俺が何かを黙っている、と感じたらしい。まとまっていない考えを口にするのは困難で、自分でも何を訴えたいんだかよく解らないままに、あの人の促しに少しずつ零した。
歩み寄りは大切でも、我慢は駄目だ。
あの人が全て話せと言うのなら、俺はもっと我侭になるべきなんだろう。
……正直な話。
あの人があの人でなければこんなにも些細な事を気にはしないと思うのに、あの人があの人でなければ俺はきっと惹かれはしなかったろうとも思う。
恋愛ってのは厄介なモンだな。
こうして日記を書ける程度には落ち着いてきました、と。新学期を祝ってくれたとある人へ、ここから。
もう少し落ち着いたら、また話をしたいですね。
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