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口唇シンセサイザー -Le Monstre-
 ┗14

14 :忍足侑士
2010/07/17 11:43

嗚呼、懐かし。
久方振りに訪れた町で見付けた、姿。透き通った雰囲気を相も変わらず、纏っている様で。あの頃と変わらず大層、綺麗な御仁やったよ。蝶々は何時まで経っても蝶々やったんやろうか。俺は空白の時を、何も知らない。擦れ違い様に少し触れ合った、あの時間しか知らない。それでええんやろう。青臭い程に懸想して、走り回って追っかけて散々吼えた。懐かしい。少しだけ鼻奥がツン、としてまうけれども。

あの時、彼の口唇が動くよりも先に、確りと伝えていれば何か変わっていたのやろうか。あの時、ああしなければ少しは違っていたのやろうか。随分とそんなことを考えたりもした。結局、現在の結論から言えばどの道遅かれ早かれ同じ結末を辿っていたんやろうと思う。彼が求めていたものを俺は持ち得ていなかったし、今でも持ち得ていない。
あの頃は、酷い視野狭窄に陥っとったんよ。どうも、俺は恋い焦がれ過ぎると巧く立ち回れなくなるらしい。相手が求めているものだけを与えられなくなる。望んでいないことまで、してしまう。気に入っている、そんな好意ならば相手が求めるものを求めるだけ与えて、求められていない時は大人しく引っ込んでいられるんにな。

会いたいと思わない、なん言えば嘘になる。せやけれども、切れた縁は彼の意思で。懸想された彼と懸想した俺、それだけの関係でしかない。
純粋に話せたらええんになあ。終ぞ、求めているのは俺、だけ。吼えずに、少しばかり鳴く位は自由やろう。ただ、耳に届けばええ。近々、久方振りの文でも。

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