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口唇シンセサイザー -Le Monstre-
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7 :
忍足侑士
2010/05/02 17:49
必死に、抱き抱えた匣が在った。確かに、俺は匣の中身を大事にしとった筈なんやけれども。もしかすると俺が大事にしていた何かは当の昔に失っとって、空の匣を抱き締めていただけなのかもしれない。そこに在った筈の何かが、今でも存在し得ると騙し切って。容れ物を、残骸を、撫でていただけなのかもしれない。
きっと、随分昔から破綻し切っていた。破綻し切っている、地図を何度もなぞった。騙されたかった、知りたくなかった。やから、騙した。俺は俺を騙した。都合の悪いことには全て、目を瞑って。破綻し切った夢を、独りで見ていた。それも多分、そろそろ御終い。匣の中が当の昔に空っぽで、ただ足掻くかの如く組み込まれたプログラムに従っておままごとしていたんよ。一人、二役。
全部、残り滓なんやろう。残像、残骸。少しだけ、何かが痛むのも。感情の名残跡。
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