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俺のなめこ汁作ってくれ
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241 :
真田弦一郎◆.tIp.2
2007/08/21 02:30
精市の書いてくれたもののその後を。
俺は、付き合うまでの四ヶ月間、一度も精市に手を出さなかった。
知ってる奴は知っているだろうが、当時かなり手が早かった俺は、正直、精市の無邪気さにあてられて、手が出せなかったんだ。
その時は、まだ、
精市に対しての愛しさや、焦がれる、なんて感情は、俺にはなかった。
俺たちの、そう、春のような関係…その関係に、俺に恋を意識させたのは、雪の積もった丘陵でのことだった。
精市から、今一人で遊んでいると声が掛かった俺はそのまま丘陵へ向かった。
すると、そこには俺よりも先に、通り掛かりの手塚が居て、精市と話をしていた。
その時は、少し戸惑った。だが約束していた訳でもなかったし、三人で話すのも楽しいかと思ったのだ。
しかし、手塚が、俺たちは恋人同士か?と訊ねてきた。
精市も、俺も、否定した。
実際ただの友達同士だったしな。
それまで、俺は、精市を恋愛対象として見ていなかった。
俺には、こいつが綺麗すぎた。
眩しかったんだ。
だが、手袋もはめずに夢中で雪うさぎを作る精市の手は真っ赤。
少したしなめて、俺の掌で精市の片手をあたためてやった。
精市は、花が綻ぶように笑った。
このくらいのスキンシップは、ごくたまにだがあったな?
すると、手塚が帰ると言う。
寒そうだからと、手塚が自分のしていたマフラーと手袋を精市に預けていったんだ。
精市は、嬉しそうに、手塚の手袋をはめた手を俺に見せた。
初めて、モヤモヤした感情が芽生えた。
正直、悔しかったのだ。
精市が、不安そうに怒っているのか、と聞いてきた。
愚かな俺は、その時、初めて気付いた。
こいつの事を、独占したいと思う感情…愛しい、と思う感情が自分にあったことに。
二月一日、
真冬ながらも、優しい風の吹くテニスコートで、俺は、ずっと自覚出来なかった、思いを、…こいつに、…好きだ、と告げた。
そこから始まったんだ。
付き合い出すと、精市の色々な顔が見えてきて第一印象なんて吹き飛んだのだが(笑)
その後も色々悶着があったりして今に至るのだが…それはまた別の機会に。
そしてこいつらが…

俺と精市を結びつけた、二人で買った真っ白なうさぎのユキ。

付き合い出す前、精市からプレゼントされたグレーのうさぎのクヌギ。
二人とも大切な家族だ。
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