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ヒヨコのたまご
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106 :
幸村精市
2007/01/13 23:48
宿へと戻り、約束通り露天風呂へ。
真夜中だったからか、俺達以外に人の姿は見あたらず、テンションが最高潮に上がる部員達。
まぁ、気持ちは分からなくもない。
素っ裸で一番に湯船に飛び込む赤也。
そんな赤也めがけて雪玉を投げつける丸井。
騒ぐな!と誰よりも大きな声を出して注意する真田。
そんな真田の腰巻きをさりげなく緩める仁王。
「隠すのは男らしくないぜよ」との言葉と同時にタオルが落ちて声にならない悲鳴をあげる真田。
「そのくらいでガタガタ言うなんて女々しいぞ、弦一郎。そんな大したものじゃないのだし」と肩に手を置きさらにどん底に落とす柳。
赤也の投げた雪玉が顔面にヒットして、雪合戦の参加を余儀なくされたジャッカル。
そんな賑やかな部員を湯船に浸かり大きな雪玉を制作しながら眺める俺。
やっぱり楽しいことには参加しないとね。
ということで、いくつか顔ほどある雪玉を作り終えると雪合戦に参加。
心なしか真田にたくさんヒットしたのは気のせいだということにしておいてくれ。
そんな賑やかな風呂タイムを終えると部屋に戻り、綺麗に敷かれていた布団の上へ。
いつもならここで恐怖のサドンデス枕投げが始まるところなんだけれど、少し露天風呂ではしゃぎすぎたようでそんな気配は微塵もなく雑談が始まった。
泊まり込みで男だけとなれば必然的に話題は猥談だろう?
真田は真っ赤になってたるんどる!なんて言っていたが、無視して大暴露大会の始まりだ。
みんなの体験談が聞けてなかなか興味深かった。
もちろん俺も暴露したさ。
マンドラゴラLOVEとは言っているが、俺もそれなりには経験があるからね。
ほら、健康な中三男子だし。
まぁ、この話はまた別の機会に。
風呂ではしゃぎすぎたせいか、就寝時間は早かった。
次々脱落していく部員を後目に、俺はずっと構ってやれなかった、マンドラゴラの元へ。
元々今日は夜更かししようと決めていたからね。
炬燵の上のマンドラゴラを持ち上げると窓辺へ。
真っ暗な部屋の中から見る白い物で覆われた外の世界はとても綺麗だった。
傍の椅子へと腰掛けるとマンドラゴラを膝の上へ乗せ、ポツリポツリと話しかけながらしばらく外を眺めていた。
賑やかで楽しいのも好きだけれど、やっぱりこうやってゆったりした時間をキミと過ごすのが好きだ。
シンシン…そんな音が聞こえて来そうな外をただ静かにキミと眺めて1日目は終了。
2日目は、1日目にはしゃぎすぎたせいか移動時間はみんなうとうとしていたよ。
そうだな…印象深かったのは2つ。
1つは町の中に足湯があったこと。
電車の待ち時間がかなりあったから、そこで暖まりながら談笑。
服を着ているにも関わらず、足でお湯の掛け合いを始めようとする丸井と赤也。
最初の方は黙っていたが、さすがに他の人がいては迷惑になると思い一言。
「丸井、赤也、そんなに元気が有り余っているのなら、明日からのメニューは幸村スペシャルにしてもいいかい?」
その瞬間ピタッと動きを止めて高速で首を振る2人。
フフ、やはりお子さまを黙らせるには部長の特権を振りかざすのが効果的だ。
もう1つは昼飯を食べる場所を探しているとき見つけた店がゆきむら亭だったこと。
即入ることに決定。
どんなものが出てくるかドキドキしていたらしいが、ハッキリ言って俺とは無関係だ。
だから、俺の特性スペシャルドリンクが出てくる訳でもなければ、リンゴの芯を一剥きでごっそり取りだしてしまう俺が腕を振るった料理でもない。
…まぁ、そんなに期待しているなら、帰ってから嫌と言うほど味合わせてやるぞ?
料理自体はもの凄く美味しかった。
さすが、俺と同じ名前だけはある。
2日目は移動時間の方が長かったからこれくらいしかないな。
そんな感じでなかなか楽しい旅行だったよ。
マンドラゴラとも穏やかな時間が過ごせて何よりだ。
また機会があれば行こう。
…ようやく終わった(ペンと日記を放り投げ)
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