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ヒヨコのたまご
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115 :
幸村精市
2007/01/28 22:20
『こないだ焼き肉の割引券あげたんだから今日は精市が晩ご飯を作りなさい。』
朝起きるとそんな母親からの指令が書かれた紙が俺の部屋のドアに貼られていた。
俺に料理をさせて過去どうなったか知らない訳じゃないだろうに、それでも任せようとする辺りさすが俺の母親だ。
取りあえずスーパーへ買い出しに行ったが、料理なんて滅多にしない俺が何を作ろうか考えたところで何も出てきやしない。
適当に何か出来そうな材料をカゴに放り込んでみた。
>じゃがいも にんじん ほうれん草 たまねぎ
>ウインナー ベーコン 牛肉 マーガリン
>松茸のお吸い物 ブナシメジ
以上。適当に買って家に帰ってから妹に聞いてみた。
「これで何が出来ると思う?」
材料を眺めてから一言。
「取りあえず好きなの一緒にして煮たり焼いたりしたらいいんじゃないかなぁ」
さすが俺の妹。アバウトだ。
さすがに言葉のまま実行するのはどうかと思い、料理の本を見てみると肉じゃがが出来そうだったので挑戦してみることにした。
材料をぶつ切りにして炒める。
ただ材料を入れるだけだと鍋の底にくっつくのは調理実習で知っていたから、近くにあったマーガリンを入れてみた。
え?油?
ふふ、要はくっつかなければいいんだろう?
油もマーガリンもそう変わらないさ。
適当に炒めたら水を入れてそこに調味料を入れようとしたら妹に止められた。
「ちょっとまってお兄ちゃん。煮えてから味付けしないと駄目だよ?」
そういうものなのか。
最初から全部入れて放っておけば出来るのかと思っていたよ。
忠告通りまずは水だけで煮てみる。
煮えたころを見計らってこんどこそ味付けをしてみた。
…ん?なんだかみりん臭い。
味見をしたらみりんが良くきいていて甘かった。
どうやら砂糖とみりんを入れすぎたらしい。
仕方がないので醤油を足した。
まだ甘い。
もう一度足した。
>汁 が 黒 く な っ た
俺は静かに蓋を閉めた。
さぁ次にいこうか(爽)
残りは全て切り刻んでマーガリンで炒めてみた。
これは案外美味しそうに出来たよ。
炒めるくらいは俺にでも出来る。
満足しながら洗い物をしていると、刃が下に向いた状態で掛けてあったピーラーが上から落下してきた。
以前目測を誤って包丁を足のすぐ真横に落として床に突き刺さったことを思い出したよ。
どうやら俺は刃物に好かれているらしい。
そんな楽しい夕飯作りは無事終了。
終わりよければ全てよし。
それでいいじゃないか。
ねぇ、キミもそう思うだろ?マンドラゴラ?
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