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ピエロ。
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101 :
仁王雅治
2009/04/03 03:19
#丸井は俺と付き合ってから変わった。
それはなんとなく、只具体的に特徴を並べ立てられるものではなくて、空気みたいに普段は意識していないけれど、寒空の下吐いた息が色付いたふとした瞬間に気付くのと同じような変化だ。
#さ て 俺 と 丸 井 は
この数年数え切れない程たくさんのことを話題にして、盛り上がって笑い合って時には真面目に語ったり悲しんだり落ち込んだり沈んだり、そこにはプラスのみの感情ばかりじゃないけれど、結局最終的にはネガティブなもの以上にポジティブな何かを得ているんじゃないかと思う、毎回、往々にして。（大事なことなので2回言います自分のために）毎回往々にして、だ。俺は一度だって暗澹たる気持ちで部屋を後にしたことがない。入室時も、足を引きずる様にして待ち合わせ場所に向かった事は一度もない。あいつとの逢瀬はいつだって楽しみで、嬉しいものだ。
#と こ ろ で
俺はあいつのことを語りだすとアイツを崇拝しているんじゃないかと思える程の文章をまるで普通に話し始める。というか「丸井について喋ります！」なんて言おうもんなら気付いたらあいつは俺の光だ、希望だ、生きる理由だ、俺に与えられた楽園だ、なんて、おいおいお前ちょっと目を覚ませよとか苦笑されながら止められそうな痛い台詞を何の疑問も抱かずに純度100％で語れる自信がある。
#し か し
俺は丸井を絶対的な神のようなものだとは思っていない。もちろん俺という人間の前に舞い降りた穢れを知らない純白の天使、えっ天女ならぬ天男なのもしかして丸井ってなんて事も思っちゃいない。いやちょっとは思ったりする時もあるけど厳密的には思っとらんのだ。丸井だって人間だから腹黒いところもあれば血なまぐさいところだってある、うんこだってするし人を憎んだり羨んだりだってするだろう。ただそれらの片鱗を知りながら、それでも俺はあいつを一番きれいだと思う。丸井が内心ぐっちょぐちょのべちょべちょのげろげろの事を思っていたとしても、それすら愛おしいのだ。むしろそっちの方が断然人間らしいではないか！あいつは自分がきれいだなんてこれっぽっちも1ミリだって思っとらん見事なネガティブボーイなのを知っとるが故に、あいつが自分に絶望して自己嫌悪に陥るたびに俺はあいつの中に光を見てゆがんだ笑みを口端に湛えるのだ。困ったもんだ、俺はまったく持って性格が悪い。というか根性が悪くてゆがんでいる。大丈夫自分でちゃんと分かっとるから。
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