『今度こそ大切にするのよ。だって貴方、』 わかってる。だってわたしはこれで、 ──そう。何度目の生、何度目のチャンスだろう。多分これも、無限じゃない。そろそろ……いや、むしろこれが【最後】だって有り得るはず。「今度こそこの世界では必ずキミを守るから、キミはわたしの、鈴谷のココロを守って。」
実は、あたしの鎮守府に島風が配属されたのは『初めてのこと』じゃない。今のあの子は三人目に当たる。 最初の島風はあたしの心に強くその存在を刻み付けた。テストベッドであるあたしを遥かに上回る速さや、飄々とした態度のウザ絡み。 まだ新入りだったあたしはあいつとペアを組まされていたけれど、着いて行くのに必死の毎日の中で、いつの間にか【なくてはならない存在】になっていた。 でも、そんな初代島風は異動先の艦隊で呆気なく撃沈。『七夕にまた会おう、ルーキー』 なんて約束を残して、あたしの前から居なくなった。
榛名はこんなもの必要なかった。ソレは心を縛り上げる。判断力を鈍らせる。提督……優しくしてくれても、榛名……十分なお返し、出来ません。