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794.寿司好きのシェパードとかき氷の森(保存)
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囲/炉/裏(実/況)
2015/11/27(金) 06:40
※こわいはなし
※ざんこくびょうしゃあり
※じこせきにん
※はんぶんおふざけ
彼女ーー毎日悪夢を見るあの人のことーーは夢の中で夢を見たことがあるそうです。
一日目の夢。部屋で過ごしているとコツンと外で物音がする。
二日目も、三日目もコツコツと音がする。四日目も部屋で過ごしているとまた音がして、彼女は興味本意で耳を潜めてみたんです。すると「死にたくない」「助けてくれ」なんて声が僅かに聞こえてきた。五日目はその声が耳から離れなくて部屋で普通に過ごそうと心掛けてたんですよ。でも、コツコツという音は嫌にはっきりと聞こえてきたんですって。六日目になって気が付いたんですが、その音は一日目よりも増えてるんです。七日目に数えてみたら、七回。八日目は八回。そう、日に日に増えてるんですよ。何処まで続くんだろうと思いながら気が付かないフリをして毎日夢を見る彼女。十三日目にして、音が無くなったんです。代わりに。
コンコン。
部屋をノックする音が、聞こえました。すると彼女の体は勝手に動き、ドアを開けようとして……目が覚めました。「夢か」と呟いた彼女が目を開けると。
そこは首吊り台でした。
彼女は気が付いてしまったんです。毎日聞こえてたあの音は階段を登る音だと。自分が十三段の絞首台を登る音だということに。
首に緩い縄の感触があるのを感じた彼女は、そのまま一歩踏み出して。
また、目が覚めました。
今度こそ現実だったので、彼女はその悪夢を忘れて普通に出掛けましたとさ。
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