スレ一覧
┗
794.寿司好きのシェパードとかき氷の森(保存)
┗146
146 :
eたoまhねeぎoh(実/況)
2015/12/30(水) 23:10
(>>147)続き。
「豆腐サイコー!」
ハムスターのように頬を膨らませながらえ豆ふ腐びーが言う。豆腐野郎の贔屓目抜きにしても鍋の豆腐は美味い。俺も後でゆっくり食べることにしよう。えのきをちゅるんとすする。キノコ特有の独特の食感が肉と卵の間の味のアクセントとなる。ああ、熱々の肉と一緒に食うと卵の白身に熱が移ってちょっと白くなるんだ。そういう所も魅力だと思わないか?だから俺は白身も好きなんだよ。
「フツーさ」
無言で食ってたあ般ろ若まが一通り食って落ち着いたのか口を開く。
「すき焼きに大根なんて入ってないよね」
え豆ふ腐びーと俺も頷いた。すき焼きのラインナップというのは、大抵肉としらたきとネギ、椎茸とえのき位か。
「俺のは野菜多めのヘルシー志向なの!野菜いっぱいの方が出汁が出て美味いじゃん!」
「ま、美味しいからいいんだけどね」
き堕っ天く使んの回答に特にこれといった反応を示さず、またあ般ろ若まは鍋をつつき始めた。確かに、別に野菜いっぱいだから駄目という理由はない。き堕っ天く使んの作る料理は何でも美味しかったし、そこにアレンジが加わっていても異論を挟む隙無く美味かった。白菜はネギの代わりにずっと煮込まれてもシャキシャキとした食感を保った役を担ってくれていたし、大根はおでんの具のようにふんわりと優しい味がした。
あっという間に食べ尽くした俺達は〆へと突入する。
「すき焼きと言ったらー?」
「「「うどん!!」」」
イエーイ!とハイタッチする俺達。残念ながら酒は一滴も入ってない。
うどんは実は冷凍うどんの方がうまい。そりゃあ物によるけど、鍋のときは冷凍うどんの方が絶対に美味いのだ。なんかグル何とかがどうとか理論を聞いた気がするけど忘れた。うどんをぶっこんで、煮込んで、また食う。俺達はまるで飢えた獣のようだった。
食べ終わった汁は取っといて、明日の朝の雑炊かまたうどんになるだろう。き堕っ天く使んはそういうことも考えてちゃんとアレンジしてくれる。
「ごちそうさまでした」
「ごっそーさん」
「美味かった!」
「そりゃどうも!」
片付け、めんどくさいなあ。
[
削除][
編集]
[
設定]
147 :
eたoまhねeぎoh(実/況)
2015/12/30(水) 23:51
「へいお待ち!」
どん!とこたつの中心に鍋が置かれる。俺達三人は盛大に拍手をし、き堕っ天く使んはドヤ顔で鍋のフタを開けた。もわんと鍋からこもった湯気があふれ出し、同時に食欲をそそる香りも鍋から飛び出てきた。昼食から何も食べていない腹は食欲に忠実に従い、唸りをあげた。それはえ豆ふ腐びーとあ般ろ若まも同じようで、あ般ろ若まは既に器に入った卵を溶いているし、え豆ふ腐びーは待てと言われた犬のような切ない顔をしている。
そんな俺達の反応を知ってか知らずかき堕っ天く使んは上機嫌でカセットコンロの火をつけ、肉を一枚ずつ取り鍋に沈めていく。
すき焼き。
それは魔の鍋である。
安上がりの水炊き豚しゃぶでも、味付き楽チン鶏鍋でもなく、高級な牛すき焼き。
男四人の飯なんて正直質より量である。おっさんになったとは言え、まだまだ沢山食べる。牛肉は美味いが高いし、コスパが悪い。にも関わらず、年に一度は必ずやらなければいけない。そんな暗黙のルールが俺達にはあった。
赤い牛肉がじんわりと色が変わっていく様子を眺めながら、俺達は待つ。その間に俺はちゃかちゃかと卵を溶いた。贅沢に黄身だけなんて真似はしない。丁寧に全て混ぜて、白身を切るように箸を動かす。
「どうぞ、召し上がれ」
き堕っ天く使んが言うや否や、俺達は飛び出した。戦争の始まりである。目指すは肉、ひたすら肉。これぞまさしくリアルファイト。
「一人五枚までなー」
き堕っ天く使んの言葉で戦争はあっけなく終了した。争う意味は皆無だと思い知ったのだった。恐るべし、き堕っ天く使ん。牛肉を一枚だけ確保した器に、ネギとえのきとしらたき、それと白菜を山程入れた。
肉を卵と絡ませる。てろりと光がかってコーティングされた牛肉はとても美味しそうに見えた。一口でかぶりつく。うまい。うまい。
「うまい!」
「うめえ!」
「うまいでしゅ!」
え豆ふ腐びーの噛みにツッコミを入れる暇が無い。噛み締めるほどに出てくる肉の旨味。舌にそっと混ざってくる卵。初撃は完璧とも言えるほどに美味かった。
「今日の肉はなんと!国産でーす!」
俺達は惜しみ無い拍手をした、心の中で。実際は箸と皿で両手が塞がっていたので出来なかったけれど、き堕っ天く使んはそんなことを気にする様子も無く、自身も肉を貪っていた。
しらたき。つるりとしたフォルムは卵によって更に喉越しの良さを増して、喉の奥へと収まっていった。じっくり煮込まれて味の染みたしらたき程最高のものはない。一緒にとろとろになったネギも食べる。柔らかくいくらでも食べられてしまう。
「え玉お葱ちゃんは風邪気味なんだからぁ、ネギもっと食べなさーい!」
そうき堕っ天く使んに言われてまだ具が残ってる器にネギを山盛り入れられた。今度は半煮えのネギ。味の染みた柔らかいネギも良いが、火の通りきってないシャキシャキとした食感のネギもまた美味いものである。
(>>146)続く。
146 :
eたoまhねeぎoh(実/況)
2015/12/30(水) 23:10
(>>147)続き。
「豆腐サイコー!」
ハムスターのように頬を膨らませながらえ豆ふ腐びーが言う。豆腐野郎の贔屓目抜きにしても鍋の豆腐は美味い。俺も後でゆっくり食べることにしよう。えのきをちゅるんとすする。キノコ特有の独特の食感が肉と卵の間の味のアクセントとなる。ああ、熱々の肉と一緒に食うと卵の白身に熱が移ってちょっと白くなるんだ。そういう所も魅力だと思わないか?だから俺は白身も好きなんだよ。
「フツーさ」
無言で食ってたあ般ろ若まが一通り食って落ち着いたのか口を開く。
「すき焼きに大根なんて入ってないよね」
え豆ふ腐びーと俺も頷いた。すき焼きのラインナップというのは、大抵肉としらたきとネギ、椎茸とえのき位か。
「俺のは野菜多めのヘルシー志向なの!野菜いっぱいの方が出汁が出て美味いじゃん!」
「ま、美味しいからいいんだけどね」
き堕っ天く使んの回答に特にこれといった反応を示さず、またあ般ろ若まは鍋をつつき始めた。確かに、別に野菜いっぱいだから駄目という理由はない。き堕っ天く使んの作る料理は何でも美味しかったし、そこにアレンジが加わっていても異論を挟む隙無く美味かった。白菜はネギの代わりにずっと煮込まれてもシャキシャキとした食感を保った役を担ってくれていたし、大根はおでんの具のようにふんわりと優しい味がした。
あっという間に食べ尽くした俺達は〆へと突入する。
「すき焼きと言ったらー?」
「「「うどん!!」」」
イエーイ!とハイタッチする俺達。残念ながら酒は一滴も入ってない。
うどんは実は冷凍うどんの方がうまい。そりゃあ物によるけど、鍋のときは冷凍うどんの方が絶対に美味いのだ。なんかグル何とかがどうとか理論を聞いた気がするけど忘れた。うどんをぶっこんで、煮込んで、また食う。俺達はまるで飢えた獣のようだった。
食べ終わった汁は取っといて、明日の朝の雑炊かまたうどんになるだろう。き堕っ天く使んはそういうことも考えてちゃんとアレンジしてくれる。
「ごちそうさまでした」
「ごっそーさん」
「美味かった!」
「そりゃどうも!」
片付け、めんどくさいなあ。