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794.寿司好きのシェパードとかき氷の森(保存)
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18 :
eたoいhちeょoうh(実/況)
2015/09/06(日) 22:53
軍もの。
俺がまだ新参兵だった頃の話だ。
同じ部隊の上官(と言っても一期上の一士。されど一期上、位が一つ上なだけで恐ろしい格差が生まれる)と同じ部屋になった。初めは怖い先輩かと思いきや、意外とジョークも通じるし良い先輩だった。
ある休みの日。俺は部屋で昼寝していた。ふと意識が上がってきてうっすら目を開けると、先輩が部屋で誰かと電話していた。「何言ってんだ?」いつもと同じ冷静な声でも空気に怒気が感じられて、俺は思わずまた目を閉じた。
「俺は幹部になんてならねえからな」と話す声はどうやら親宛てらしく、ああそういえばこの人の親は准尉とかだっけと鳥頭ながらも思い出す。彼は淡々と転職について話していて、理論的に親を論破していた。俺は彼が電話を切っても寝たふりをしていた。
そのまま俺はとろとろと微睡んで寝ちまったんだけど、微睡みながら俺は軍に入るのが嫌な人も居るんだなと再認識した。当然っちゃ当然なんだけど、俺は何となく入って楽しんでる人間だから気付かなかった。
俺は俺自身が決めた道だから、どんなに辛かろうと何も文句はねえし受け入れられる。けど、その人は親の敷いたレールを走らされて、親とぶつかってる。
同情なんてしたら可哀想だと思ったけど、夢の中でくらいバレねえだろうと思って。
どうか彼が望むべき道を作れますようにと。
俺は祈った。
オチ?
ソイツは俺が隊長になる前に辞めたよ。
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