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794.寿司好きのシェパードとかき氷の森(保存)
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21 :
eたoいhちeょoうh(実/況)
2015/09/14(月) 22:43
ちょっと怖いかもしれない昔話。
暗い中、真夜中。耳が煩いほどに静かな夜。
俺がまだ新参兵で、歩哨をやっていた時のことだ。
歩哨ってのは大体二人一組で、片足を組んで見張りをする。首はなるべく動かさず、視線だけでボソボソと警戒地域の名前を呟く。もちろんお互い会話なんて無し。年食って階級が上がってたらもっと手を抜く方法なんていくらでもあっただろうが、新人の俺たちにそんな余裕は無かった。
しばらく経つとボソボソと呟く声も言葉にならなくなってきて、ゲシュタルト崩壊が始まってくる。自分が何を喋っているのか、何を見ているのか分からなくなってくる。頭は回ってねえけど、体は機械的に動いてる。そんな状態で、俺も俺のバディも歩哨をやっていた。
突然、俺のバディが動いた。俺は敵が来たのだと一気に頭が覚醒したんだがどうも違うらしい。バディは自分のナイフを抜き、そして自分に刺そうとした。……した、って過去形なのは俺が止めたからだ。敵にバレる危険は勿論あったけど、それより仲間の命のが優先だし。
バディの銃とナイフを奪って、身動き取れなくしてから有線で外哨長に連絡をする。すぐに交代要員が来て俺達は後方待機場に戻ったが、俺のバディはそのまま衛生科の人と共に居なくなった。
俺はちょっと話を聞かれて後は普通に休憩してた。俺のバディはその後数ヵ月戦場で見ることは無かった。多分、入院してたんだろう。
真夜中の孤独は人を狂わせるって話。
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