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210 :式岸軋騎(零崎軋識の人間ノック)
2016/04/17(日) 22:12

R18ではないけど気色悪い、下世話なはなし

殺人鬼の鬼と言えど、零崎も人間でもある。人並みに性欲は溜まる。その時の俺は零崎軋識という鬼ではなく、《街》としての人間だったから尚更。
《街》としての格好は良いスーツを纏っているし、顔もまあ悪くはないと思っているので、女の何人かは寄ってくる。その中でも都合の良さそうな相手を引っ掛けてラブホテルで致す。順当な流れである。ラブホテルとはそういう所だ。
なので断じて。
「ラブホテルは相手に嫌がらせをする場所だと思うんだがそうは思わないか?」
そういう場所ではないのである。

俺をラブホテルに連れ込んだ兎吊木はニヤニヤとした気持ちの悪い笑顔を浮かべていた。訂正、いつもと同じ顔だった。どうやって俺を連れ込んだのか知らないが、連れ込まれたものはしょうがないのでこの事実をどう隠蔽するかが問題である。
「ああ、勘違いしないでくれ。そういうつもりじゃあないんだ。いや、そういうつもりでも良かったんだけれど、式岸が今日は生理かもしれないと考えると迂闊に手が出せなくって」
俺はいつから女になったんだろうか。黙って顔をしかめていると、なおも兎吊木はぺらぺら口を回し始めた。
「式岸ほどスーツの似合う男は中々に居ないと思うよ。式岸の体に合っている。ああ、オーダーメイドだからなんて野暮なことは言わないでくれよ。そのオーダーメイドのスーツをシワだらけにして乱れる姿を想像するだけで興奮してしまうから」
スーツをシワだらけにして台無しにすることも壊しの一環なのだろうかとどうでも良いことに思考を巡らせた。俺は何も答えずにベッドから起き上がり、部屋の出口へと向かった。ドアに手を掛けても兎吊木は止める素振りを見せなかったので、俺はため息をついて振り返った。
「兎吊木」
「なんだ?」
「今日は俺のどんな『弱味』を手に入れた?」
「別に何も」
一貫して表情を崩さない兎吊木を殺したくなるほどに睨み付けてやる。
「本当さ。この誠実に生きた兎吊木垓輔を信じてくれよ」
一々こんなことで腹を立ててもしょうがないが、俺は舌打ちしてラブホテルを出た。兎吊木は俺を追い掛けることもせず、その後の連絡も特に無かった。
それからしばらくラブホテルに行く度に兎吊木の顔を思い出して気分が悪くなったので、俺はラブホテルに行くのを止めた。また一つ、解決しない悩みを抱えてしまった。

そして日にち変わって。兎吊木からハプニングバーに行こうと執拗に誘われている。
「式岸は一体どんなハプニングを起こしてくれるんだろうね?」
知るかよ。
「皆殺しデートとかどうだろう」
そういう意味のハプニングじゃないことは確かだ。


×××

別件。
今日中に返事する。連絡が無かったらまた綾南にでも手紙を渡してくれ。


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