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794.寿司好きのシェパードとかき氷の森(保存)
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eたoいhちeょoうh(実/況)
2016/08/03(水) 22:09
あ軍ろ医まの医務室にはカルテに押すためのゴム印が沢山ある。
それと、コーヒーがある。
そんな二つのはなし。
カリカリとあ軍ろ医まが何か書類を書いているのを俺は横で眺めていた。
「……なあ」
ぼうとして見つめていると、あ軍ろ医まがペンを置いてこちらを見る。その顔はやや呆れ混じりの表情だった。
「そんなに見つめて楽しいか?」
「いや別に」
即答するとあ軍ろ医まは顔をしかめた。
「暇ならコーヒーでも持ってこい」
しっしっと手を振る彼は俺の答えを聞く前にまた机に向かってしまった。俺は立ち上がってコーヒーを淹れに行く。俺も丁度飲みたいと思ってた所だったし。
俺らの嗜好はバラバラだ。あ軍ろ医まはわりと甘いものが好きだが、眠気覚ましなのかいつもブラックだ。対する俺はミルクも砂糖もたっぷりいれて飲む。出来ればミルクはクリープじゃなくて牛乳がいいから、医務室の冷蔵庫には牛乳が置いてある。入り浸るから専用のマグカップもあ軍ろ医まが用意してくれた。それらに好みぴったりの物を入れて机に持っていく。
「ん、ありがと」
カラ、とアイスコーヒーの氷が音を鳴らす。あ軍ろ医まは一口飲んで定位置にマグカップを置いた。定位置というのは、ゴム印が置いてある小さな棚の前だ。机の上にはゴム印がずらりと置いてある小さな棚があるのだ。マグカップを置いた手でそのまま書類に押すのだろうゴム印に手を伸ばす。一つ触れて取り出した。
「あ」
「……あ」
ぽちゃん。ゴム印を一つ出した拍子に隣のゴム印も出てきてしまったようでぽとりと落下した。まあ、よくあることだ。その下に待ち構えていたのがアイスコーヒーでなければ、の話だが。
「あちゃー」
「もう飲めねえな、流石に」
ゴム印の浮いたアイスコーヒーを二人で眺める。
「ツイてねえ……」
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