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794.寿司好きのシェパードとかき氷の森(保存)
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ア/ブ(実/況)
2017/02/09(木) 06:48
「何作ってんの?」
俺の部屋に居座るコ/ジが手元を覗き込んだ。ぐるぐるかき混ぜるア/ブさんの鍋から目を離さないで答える。
「生チョコキャラメルだよ~」
「どうりで甘い匂いがすると思った!」
後ろから絡みつかれたので顔を傾けて睨み付けるとコ/ジは嬉しそうに口許を緩ませた。
「火使ってるから危ないでしょ」
「ア/ブさんならそんなヘマしないよ」
「何その俺への謎の信頼」
ぐるぐる。かき混ぜ始めてかれこれ数十分になる。疲れてきちゃったから、かき混ぜるのをコ/ジに押し付けた。代わりに俺は板チョコを刻む。
「何してんのー?」
「手止めなーい」
「あ、うん」
「キャラメルに溶かすチョコ用意してるの」
刻んだら適当な器に入れて、ポットで沸かしてある熱湯を別の器に注いで湯煎する。
「ねばってしてきたー」
「焦がしたら殴るよ」
「やだ!」
溶かしたチョコをコ/ジの鍋に入れる。キャラメル色がチョコと混ざって茶色く変わっていく。鍋とヘラを受け取って、ラップを敷いたバットへと流し込む。
「これを冷蔵庫に入れまーす」
拍手とともに容器が冷蔵庫にしまわれる。ちなみに、下にクッキー生地敷いてたらフロランタンもどきになったりする。これも美味しいんだよねー。
「はい、ア/ブさん!」
「なにかな」
「いつできますか!」
「コ/ジが帰ったら」
「えーー!!」
ささっとお湯で洗い物を済ませてリビングのソファに転がると、コ/ジがのし掛かるように転がって来た。重たい。冷たいことを言ってるみたいだけど、この人もう一週間位ア/ブさんの家に居着いてるからね。仕事行っても何故かここに直帰するからね。
「そろそろ帰ってよ、バレンタイン近いんだよ?」
「俺たちにはバレンタインなんて関係ないぜ!」
「……関係あるでしょ」
転がって重なる俺たちの距離は思いの外近かった。いくらア/ブさんがイケメンだからって男二人のこの光景はキツい。けど、そこは我慢して顔をちょっとだけ近付ける。
「サプライズバレンタインのお菓子が作れないでしょ……ね?」
「……!」
困ったように微笑むと、コ/ジの顔に驚きが広がる。突然ぱっと離れてしまうと大急ぎで鞄をつかんで出ていってしまった。私物散らかしっぱなしで。
「ただし、コ/ジへのサプライズとは限らない……なんてね」
久し振りに静かになった部屋で俺はそのまま昼寝へと入っていった。
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