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67 :eたoいhちeょoうh(実/況)
2015/10/21(水) 20:03

迷彩服のアイロンを掛けに娯楽室に行った。娯楽室にあるアイロン台は窓際にあってさ、アイロン掛けながら外が見れるようになってんの。俺が住んでる居室は四階だから、航空科が使う滑走路がよく見えるんだよな。残留で暇なときはそっから外眺めてヘリが飛ぶ所見てたりするし。
普段は電灯も何も無いから真っ暗な外が見えんだけど、今日は違った。青いライトが点々と点いてんの。考えれば理由は簡単、ヘリが飛ぶ日で暗くなってもまだ帰って来てねえからってだけの話だ。空港とかでも滑走路に明かりついてるだろ?それと同じだ。何だか知らねえけど青一色のそれに俺は見とれちまったんだ。本来の目的であるアイロンを適当に終わらせて俺は夜の散歩に出た。
長袖迷彩服の上衣を着てても最近は肌寒くて、今日もひんやりと空気が冷えていた。風が無いのが幸いだ。俺は滑走路脇の道をブラブラと歩く。この駐屯地はそこそこ都会な場所だというのにそんな賑わいなんて一切無く、ヘリのプロペラ音と鈴虫の鳴く声しか聞こえない。しかも、節電か何か知らないが、道も電灯の灯りはほぼ無く、かなり暗い。別に見えるから構わないけど。この道は体力錬成用のマラソン外周コースからも外れているし、任務帰りの人ともすれ違わない。周囲には俺一人だけだった。
時折、遠くからラッパの練習の音が聞こえてくる。朝と夕の課業を知らせるラッパのメロディ。ちなみに俺はラッパは吹けない。
しばらく青い道を眺めていたが、妙に寂しくなって部屋に戻った。部屋に戻ったらえ新ふ参び兵ーが呑気な声で「何処行ってたんですかー?」と言ってきたので「散歩」と答えた。
「もしかして隊長、おセンチですか?」
「何それ」
「俺が部屋に居なくて寂しかった、ってかあ!?」
「うるせえ」
俺は一人じゃない。

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