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アーサーへ。
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149 :
独
07/19-20:55
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ここ半年で、どうして俺はこんなにも下らない糞ったれになってしまったのだろう。
色々な事を考えれば考える程、上半期で目の当たりにして来た自分の不甲斐なさに思わず目を背けたくなる。
お前は俺に、そんな事はないと言ってくれるが、お前に対しても冷たく当たってしまった事が何度かあったと思う。ただ、段々と環境の変化にも順応出来るようになって来たのか、やっと心に余裕を持って生活をする事が出来る様になって来た。
お前に送った手紙が手元に残っていて、ふと勇気を振り絞って封を破って見てみたが、見れば見るほど後悔が押し寄せて号哭しそうになる。冷たくなんてされていない、と言うお前に甘えていた。手紙を一枚一枚見返せば、そこには全く違う自分がいて、唖然とするのと同時に、お前を失う事に対する恐怖が胸の底から湧き上がって来た。
勝手に冷たくして、勝手に気付いて、勝手に反省をして、勝手に失う事を恐れるなんて、話にならん。なんて自分勝手な人間なんだろう。お前がここ半年の俺との関係の中で、本当に傷付いていないのか。嘘を吐いて冷たくなんてされたと思っていないと言っていたのか。俺には実際分からない。
ただ、何時もなら気付く様なほんの些細な感情を、お前の口から出されるまで気付けなかった事に腹が立つ。
ふと、冷静になってお前から送られて来た手紙を読んだ時に、とても疲れた様な雰囲気を纏う文字が並んでいた事に気付く。弱々しくさえ感じた。
甘えてばかりで、お前の事なんて全く考えないで、俺は一体どうしたんだ。
アーサー。…済まない。この四文字だけで、お前にどれだけ伝わるかも分からない。いや、本当はお前は何も気にしていないのかも知れない。俺の得意の杞憂であるならそれに越した事は無い。
だが、あまりにも、自分の言葉が冷たい物だったので、謝らずには居られなかった。
優しく居たい。幸せにしたい。何時でも笑っていて欲しい。三年と半年と言う期間に、俺は甘え過ぎた。
…今日、お前は帰ってくるだろうか。今日こそは伝えよう。好きも愛してるも、心からお前が大切だと言う事も。今更だなんて、怒らないで聞いて欲しい。
全部お前に伝えたら、キスをさせてくれ。
そうしたら、目を見てもう一度、飽きる程伝えて来た五文字をまた、伝えさせてくれ。
どうか、今日お前に会える様に。
もし会えたら、一番に名前を呼んで、抱き締めさせて欲しい。
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