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アーサーへ。
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174 :
独
11/18-01:07
ふむ。久し振りになってしまった。
やっと忙しさが落ち着いたと思ったら、また来週から酷く忙しくなる。最近は自分の時間もほぼ取れない中で、毎日良くやっていると思う、と、何時の間にか自分の事を褒めてしまった。駄目だな、褒めると調子に乗るから止めようか。
一ヶ月振りにお前に手紙を宛てた。内容は薄い物だが、気持ちは込めている。
何時からか俺までもが時間を取れなくなってしまって、中々満足行くほど言葉を交わす事が出来なくなっている。
しかし、それでもお前が隣に居てくれている、という安心感があるので、会えない寂しさよりも帰ってくる場所がある、という心地良さが俺を穏やかに保ってくれている。
こういう時に、不意に「良い関係を築けたのだな」と実感する。
俺は、どんなに時間が経ったとしても、その内お前が「忙しかった、悪い」と言って疲れた顔をして帰ってくるだろうと信じ切っているから、離れる事に不安や不満は全くない。勿論"元気にしているのか"、という心配や"声が聞きたい"、という欲はあるが、それは焦燥ではなく想いを馳せているだけであって、決して悪い物ではない。
そして何より、きっとアーサーも同じ気持ちでいてくれているだろう、と疑いなく信じて過ごせるこの感覚に、「良い関係である事」を感じ取る。
思えば昔は子供だったからか、どんなに平気と言っていても、やはり、うむ。少しくらいは、…そうだな。認めよう。
少しだけ不安はあったと思う。
だが、もう俺も大人だ。
今更ここまでお前と一緒にいて、不安になる事もない。今では過去と違い、少しだけ冗談も嗜める様になった。
俺は大人になったぞ、アーサー。
なんて。
大人大人と記している時点でまだまだ子供なのだが、これから先も、そんな俺で良いのなら、お前とずっと穏やかに…、…そうだな、何時かお前が言ってくれた様に、老ぼれて記憶がぐらつく位までずっと。
ずっとずっと、
ずうっと。
何時までも、出会い頭に俺に腹を立てたお前の話と、クリスマスになし崩しにお前を抱いた俺の不甲斐ない話が出来るように。
お前の返事を待ちながら、そう願っておこう。
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