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*じょいなすくん
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178 :
08/02-07:12

夢の中の老いた彼女の顔は靄がかかったように薄ぼんやりとしか思い出せない。そもそもはっきりとした顔が存在してたのかどうかすらあやふやだよ。それなのに一目見て目の前にいる老女が俺の愛しい人だと直感したのはきっと夢だから故の単なるご都合主義なんだろうね。けれど、目覚めてから数日経った今でもあの時感じた背筋に走る電流を、柔和な彼女の微笑みを、愛しい香りを忘れられない。単なる記憶の継ぎ接ぎ合わせ、幻想、空想の産物。そう思うことが困難な程、あの感覚はあまりにも鮮明でリアリティがあったんだ。
彼女だと確信した時自然と涙が溢れた。それまで無事でいてくれたことを神に感謝したさ。感極まっていきなりベッドに押し倒しても彼女は怒らずに、キスを受けてくれたよ。取った手は皺皺。泣き笑いでありがとうと言えば微笑み返してくれる。
目覚めて夢の内容を彼女に告げると、熱いキスを交わしたことを、「皺皺のおばあちゃんなのに…」って不思議がってたな。言ったろ?俺が君を愛するのに姿形なんて問題にもならないんだぞ。

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