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9.806の誘惑
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12 :
墺
07/28-12:51
整った唇から詠うように零れる音。其れに絡め取られ、私は夢を視る。目蓋の裏に広がる暗をスクリーンに、まるで走馬灯のように流れる映像。何時の日かの貴方、そして私。第三者として客席に鎮座する私は脳内に流れる映像を拒むことは出来ない。眼鏡越しに観る世界。セピア色に揺れる。オペラ座のような豪奢な装飾は一切施されてい無い、どちらかと言えば廃れている、そんな空間。目蓋の裏。頭が割れんばかりの拍手喝采にのみ、戻ることが許される場所。現実に起きた事象は記憶に留まらず、幾度も魅せられる夢に囚われる。そうして私は私を保つのです。
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