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9.806の誘惑
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9 :
墺
07/25-01:04
唄うような旋律。流れるように私の指から紡がれ零れ落ちる。柔かい音色とは裏腹な私の心。世辞にも美しいとは言え無い。空気からの微振動が鼓膜を擽る。貴方にはお解かり頂けますでしょうか。楽譜に泳ぐ羅列に潜む私の激情が。言の音に零すのは恐ろしい等と申しているのではありません。其の行為よりも鍵盤に指を這わす事が私にとって容易なだけのこと。されど他者は違う。上辺をさらうのみでは言わずもがな。心音は響か無い。そうして私は今尚、そしてこれからもきっと奏で続けるのでしょう。私という概念は止まることは無いのですから。
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