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我輩はお兄様である
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8 :
Basch◇
08/01-20:25
#妹よ、恋とは如何に儚きものか。
その色は、インクがぽたり落ちたように一点から拡がった。
> 初めて言葉を交わした時、楽しいとは別の何かを感じた。興味は好意に僅かに変化し、彼の人は確かな存在となる。
まだ残る白は、急速に塗り上げられ染まっていった。
> 言葉を交わすだけでも胸が高鳴る。会いたいと願った。心はひた隠し、酷く嘘吐きな自分が嫌で、少し苦しさを持て余す。
そして気がつけば色は、何度も何度も塗り重なり黒に近づいた。
> 手に入れたいと欲望が渦巻く。嫉妬が芽生え、焦り、熱で身を焦がし。
それでも我輩は、好きだと言えなかったのだ。
漸く口にしたのは失うかも知れないという瀬戸際。
そうして手に入れた人を、己の未熟さで失ってしまったのだから
つくづく恋愛に向いていないのである(ふぅ)
>あの時の全ては彼の人であった、今はその炎も消え静寂な時が流れている。
人はこんなにも変わるのか、我輩はそれが少し切ない。
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