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照り輝く眉毛
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7 :
日
09/07-16:47
散歩の途中、寂れた廃墟と其処へと繋がる扉を見付けました。ドアノブが酷く錆び付いて一目で歴史を感じる様な、そんな扉。鍵穴を見付けたので覗いては見たのですが、随分と奇怪な穴の形をしておりました。さぞ大切なモノが扉の向こう側に在るのでしょう。私から見れば今にも崩れそうな洋館しか無い様に思えますが、そうじゃないんです。こういった感情は個々にしか解らないモノで、はい…実に苦労致しますね。労うつもりで扉にそっと触れたのですが、その些細な力にすら彼は苦痛の様で、ギシギシと軋む音がしました。途端、私は酷く悲しくなりましたが同時に彼は幸せだと…ええ、心底より感じました。誰かに必要とされ、その誰かの為に生きる、其れってとても幸せな事でしょう?私も随分と老いましたが、こんな私を変わらず必要としてくれる誰かを――…未だ見付けられず、もがいているのかもしれません。……なんて、こんな事を書いたら私を罵って下さる方が数人いそうですね。実にすみません、他を羨むは爺の悪い癖です。
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