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"tussie mussies"
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10 :
Arthur kirkland
10/19-15:29
授業の合間に時折空を見上げる。
先刻も音楽室へ移動する最中、白い月が視界へ不意に飛び込んで来て
その近くを通る飛行機が白い軌跡を残してゆくのを見付けた。
こんな時、心に過ぎる相手や物事が在ると云うのは
穏かで倖せな事なんじゃねえかと想う。
孤独を感じるのは誰かが傍に居ないからでは無く
心が誰かを感じる事が出来ないからだ。
だから、触れる。
此の世に「ひとり」でなど生きられる人間は誰一人として存在する訳が無く
自分と云う核が在れど、その骨も肉も自分以外のもので生かされ
絶えず生まれ変わって、此処に在る。
何かに宿り、何かを宿し、その手触りと熱さを抱きながら
膚へ心へ記憶へ、触れる事で何かを残してゆく。
そして奥へ辿り着いた時に響く琴音は懐かしささえ馨わせて
空と交感する時、その音色が浮び上がっては
始まりの気配と最後の余韻が何処かで通じている事を想い出される。
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