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ロビンソン
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01/21-01:18

あれは一昨年の冬の事。幼なじみの彼にできた恋人は、なんとうちの友達やった。
最初はな、彼に彼女…友達を取られてしもた!悔しい!なんて思うてたんよ。せやけど、1ヶ月経っても2ヶ月経ってもその気持ちは消えへんで、そこでようやっと気付いてん。うちはいつの間にか、彼の事を。
なんて安っぽい恋愛小説みたいなシナリオなんやろか。なんて、自分で自分を笑ってしもた。うちはお腹の底から笑って笑って、そんで、それから。
……最初に悩んだんは距離の取り方やった。うちは彼の恋人とちゃう。せやから、必要以上に近付いたらあかんって。けど、あれもあかん、これもあかん。その果てで、彼とうちとの間に残るのは一体何なんやろか。重ねてきた時間?幼なじみっちゅう肩書き?そんなん頼りなさすぎて、うちは怖くて仕方ないわ。

結局、彼と彼女は別れてしもうた。せやけど、うちは想いを伝えられへんまま。
後悔はようさんしとるよ。正解がなんなんか、あるのかすら未だにわからへんけど。間違うたのはどこ?悪いところならきっと挙げきらへんくらい、なんぼでも挙げてしまえるのに。





>そうしてうちはひとつの可能性に気付く。あの人もいつか、彼らみたいに、





なぁ、男女の友情は現実に成立すると思う?うちには到底無理やった。滑稽やと思うやろ?せやけど、ハッピーエンドやなかった事が唯一の救いやねん。
安っぽい恋愛小説のハッピーエンドに憧れるのは、現実がそうやないからなんやろうか。せやけど、バッドエンドでかまへんのよ。しあわせなバッドエンド。憧れは憧れのままで、そうすれば、うちにとってはそれがハッピーエンドになる。ねぇ、そうやろ?

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