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蒼い薔薇を君に…
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43 :
英
08/07-18:44
つい最近、また友人の一人とさよならした。
そいつの第一心象は軽薄そうに見えたし、とてもドライな付き合い方を好むように思えた。
共通の友人を挟んでしか会うことのなかったままだったら良かった。
そうすればきっと傷つくことも、恐らく傷つけることもなかっただろう。
いや違うか。
俺とお前が友達以上のラインを越えちまったからだよな。
俺の中では友人も恋人も区別なく全て同じラインに並んでいる。
恋人だから特別大事とかそういう区分の付け方はしていない。
大事なこと、それは
>俺がどれだけそいつを好きでいるか
>相手がそれを受け入れてくれるか
この二つにかかっている。
大きくバランスを崩した船は舵が取れず、ゆらゆらと不安定に彷徨い始め、沢山の岩で船体を削られていきながらも沈まないように懸命だった。
沈む時は終焉の時。
あんなに必死だった舵取りを放棄したのはいつだったろう?
こんな船沈んでしまえば楽になれる。
そう思い始めた頃の俺とお前は最悪だったよな。
皮肉の応酬。
本音は伝えず形だけの上滑りの会話。
早く沈めてしまいたいと願っていたのはきっとお互い様だったはず。
俺たちを繋ぎ止めていたものがなくなれば、自由になれるのを知りながらもお互いそれを手放したくなくて足掻いていたんだよな。
お前は自由が似合う。
俺たちは何もかもが違い過ぎた。
始めから近づき過ぎてはいけない、相容れることのできない関係だったんだろう。
そう思わなきゃ、やってらんねーよ。
>お前は俺なんか好きにならない
そんな言葉で遮るくらいなら、初めから何も与えては欲しくなかった。
友情も、労わりも、優しさも__も何もかも全部。
でもいい。
もう俺達を繋ぎ止めるものはなくなったからな。
正直ほっとしたんだ。
あぁ、これで離れられる。
やっとお前から解放されるって。
解放された今寂しさはねぇ。
安堵感だけだ。
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