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懐中仕掛けのファフロツキーズ
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19 :
西
08/02-09:57
#「え、なになに?二人が一体どれくらいグチャグチャに爛れ切った腐れ縁なのかって?……そりゃあ勿論あいつが我が物顔で俺の家に土足で上がり込んで来てからに決まってるじゃない。確かにその時期は以前から国/境を隔てて小さな小競り合いは頻発していたもんだけど、まっさかあんな美しさの欠片すら無い強行突破をされるとは夢にも思わなかったさ。まるで未開地の蛮族みたいだって以外に気の利いたコメントなんて、幾ら万物の愛を知る天下のフランシス様だろうと捻り出しようが無いね。いやあ、あの時はホンット酷かったよ。俺は何も悪くなかったのに、ねえ…?だって自分ん家が壊されない様に身を粉にしながら必死に護ってただけだったし?しかも当時は士気上げの為だからだとか御決まりの常套句に託つけて、まだまだ見識足らずだった俺まで死地へ無理矢理駆り出されてもうね、本気でどうしようと思ったね。そんな幼い頃のお兄さんの涙ぐましい獅子奮迅の如き働きも報われずに最後の最後には通行料だっけ?そう言ってお前が属していた奴等から寄越された端金ちょっとで俺の家の人達の殆どが瞬く間に懐柔されて!んもうっ、俺の目の前で御偉方が悉く『力を合わせて極寒の物見遊山を決行するぞー』って結託された悪夢が鮮明に甦って、お兄さん思い出し泣きしちゃいそう!……けどね、冗談抜きであの瞬間は一体何が起きたか検討すら付かなかったんだぜ。俺の涙ぐましい獅子奮迅の如き働きはなんだったのって。本陣の一番安全な場所でふにふにしてただけだったけどな。だから愛すべき故郷の腹部が厳つい野郎共の行進と、無骨な足跡と砂埃と血袋で覆された忘れられそうに無い苦渋を少しでも薄める為に、お互い立派に成長してから俺とお前とで一戦交えた事も遇ったねえ…。確かほんの僅差で敗れはしたが、何故か悪い気はしなかったんだよな。理解に苦しむ?奇遇だな、俺もだよ。……ま、そんなこんなで擦った揉んだな経緯を掻い潜った果てに訪れた、上っ面じゃあ平和ボケしちまって久しく在る現世に於ても何がトチ狂ったのか、今度はこうして家じゃなくて俺自身がお前に踏まれている訳だけど。一体全体どうしたのよ…ホラ、何時までも均整の取れたお腹躙り回してないで、思う所が有るならお兄さん怒らないから遠慮無く打ち開けなさいな。俺とお前の仲だろ?トーニョ」
さっきからごちゃごちゃうっさいわ。
御託は良えから、さっさとお前の隣に居る俺の可愛えロヴィーノ還せやフラン。
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